ポスティングシステム(入札制度)で来季のメジャー移籍を目指していた、楽天岩隈久志投手(29)の残留が6日、確実となった。アスレチックスとの独占交渉期間は日本時間7日午後2時で終了する。ア軍が11月19日の第1回交渉で提示した条件は4年総額1525万ドル(約12億2000万円)。条件の上乗せや変更には原則応じない姿勢を貫き、話し合いが暗礁に乗り上げていた。

 交渉時間は残っており、ア軍入りの余地が残っている。だが、契約細部まで詰めの交渉を行うにはあまりに時間が足りない。加えて、ここまでの交渉過程を総合しても、ア軍が劇的に歩み寄る可能性は極めて低い。楽天としては、岩隈が移籍を申し出た時点から、いかなる結論の場合でも自身の口でファンに対し去就を発表し、メッセージを伝えてほしいとの意向を持っている。決定を受け、すみやかに会見を行うよう準備を進めている。

 岩隈本人は6日も公の場に姿を見せなかった。金額へのこだわりは当初から強くなかったが、ア軍の交渉スタイルから「自分は本当に必要とされているのか」という疑問を抱くようになった。交渉決裂から時間があったため、いちるの望みを捨てずに好転を待った。しかし、その後の交渉に大きな進展はなく、そのまま時間切れを迎えることが濃厚となった。順当なら、来オフに海外移籍が可能なFA権を取得する。機が熟すのを待つことになりそうだ。