【オーランド8日(日本時間9日)=四竈衛、佐藤直子通信員】ポスティングシステム(入札制度)でメジャー移籍を目指す西岡剛内野手(26)のツインズ入りが、決まった。ウインターミーティングが行われている同地で、独占交渉権を得たツ軍と3年契約1000万ドル(約8億円)~1100万ドル(約8億8000万円、推定)で合意に達した。ロン・ガーデンハイヤー監督(53)は、「2番二塁」を予定。週明けの13日にも渡米し、来週末にも本拠地ミネアポリスで入団会見を行う。

 メジャーの舞台でプレーしたいという西岡の夢が、いよいよ現実になる。ロッテが落札を受諾した11月27日以来、交渉はスムーズに進み、この日までに3年総額8億~8億8000万円で合意。日米間の往復航空券、本拠地での住宅補助、レンタカー使用料などの細部の折衝は残っているものの実質的に入団が決まった。

 ツ軍側の対応も、一気に加速した。ビル・スミスGM(52)は「詳細についてはコメントできないが、交渉は進んでいる」と慎重な態度に終始したものの、入団への準備は着実に動き始めた。複数の米球界関係者によると、13日にも西岡が渡米。現地の病院でフィジカルチェック(身体検査)を受け、その後、今季オープンしたばかりの本拠地ターゲットフィールドでお披露目を兼ねた記者会見を行うことが内定した。

 また、家族の健康上の理由で同会議を欠席したガーデンハイヤー監督は、地元記者に対し、電話会見で対応。西岡の起用法について「まずはキャンプで実際にプレーする姿を見てから。打順はスイングを見てからで、二塁についても本人と話してみてからだね」と話した。もっとも、近い関係者には、スピードと小技を生かすためにも「2番二塁」の構想を明かしており、攻守の中心として期待。さらに温厚な人柄とあって「この冬の間に日本語の基本を勉強しておこうと思っているんだ。そうすれば、コミュニケーションも取れるからね」と、早くも対話重視の姿勢を披露した。

 背番号については、ロッテ時代から愛着のある「7」はツ軍の顔とも言えるマウアーが付けており、現時点で空き番号となっている「1」「4」「8」「9」「10」など若い番号の中から選ぶことになりそうだ。また、ツ軍広報も日本メディアに対しての対応を検討。入団会見やシーズン中の取材状況についてリサーチを始めるなど、チーム初の日本人選手の受け入れ態勢も整い始めた。

 あとは、西岡自身が、万全の状態でキャンプインして実力を認めさせるだけ。4月1日、ブルージェイズとの敵地開幕戦。スタメンがアナウンスされた時、「メジャーリーガー西岡」が誕生する。