ロッテやヤンキースなどで投手として活躍し、日米通算106勝を挙げた伊良部秀輝氏が、米ロサンゼルス郊外の自宅で死去していたことが、分かった。42歳だった。ロサンゼルス郡保安官事務所当局者が明かしたもので、死因は首つり自殺とみられる。伊良部氏は、約1カ月前に夫人と離婚したとみられ、その後は1人暮らし。連絡が取れずに心配した知人が自宅を訪れた際、遺体を発見し、警察に通報した。

 かつて伊良部氏が在籍していた大リーグ時代の古巣が哀悼の意を示した。最初に所属したヤンキースは、デビュー戦初勝利を挙げた時に捕手を務めたジラルディ監督を始め、縁のあるスタッフ、選手が今も在籍。「深い悲しみを禁じ得ない。ピンストライプのユニホームを着た選手は全員が永遠にヤンキースのファミリーだ」と声明文を出した。

 大リーグで最後に在籍したレンジャーズは、ツインズ戦の国歌斉唱前に伊良部さんをしのんで、黙とうをささげた。またロッテ時代の95年に監督を務めたボビー・バレンタイン氏はAP通信に対し「(驚いて)気分が悪くなった。彼は最高レベルの投手だったし、大リーグへの道を切り開いたパイオニアの1人」。一方でNYタイムズには「ワールドクラスの投手だったが、するべきではないことに時間を費やしてしまった。ビールが好きだった」と米国で大成しなかったことを惜しんだ。