元レイズの松井秀喜外野手(38)が今季限りで現役を引退することが27日分かった。<松井昌雄さん一問一答>

 -引退の決断は

 昌雄さん

 本人からは今のところは聞いてない。ただその選択肢を選んだとしても不思議ではないし、驚きもしない。現役への気持ちがあっても現実問題としては厳しいでしょう。

 -完全燃焼したと思うか

 昌雄さん

 08年に膝の痛みがひどくなり、引退危機だった。でもワールドシリーズで優勝し、夢は完璧に達成した。日米500本塁打も記録して、不完全燃焼ということはない。幸せな男だったと思う。メジャーの後半のケガを思えば、よくここまで乗り越えてきた。私からはこれ以上望むのは酷だと思う。

 -思い出の打席は

 昌雄さん

 ありすぎて分かりませんよ(笑い)。でも今年はレイズでの3連戦(7月20~22日、マリナーズ戦)を米国に見に行き、結果的に3戦目の代打が今季最後の打席になった。それが不思議と打席に向かう秀喜が、カクテル光線に照らされて煌々(こうこう)と輝いているように見えた。結果は凡退だったけれど、「秀喜の姿が見られて良かった」と思った。引退するのなら、神様が最後の打席を見させてくれたのかなとも思う。

 -引退したら今後はどんな道に進んで欲しいか

 昌雄さん

 少年野球から30年やってきて、野球界に残したいものもあるはず。そのための準備期間に入ってもいい。いろんな勉強をしてほしい。今年はシーズンが途中で終わり、これまでになく時間もたくさんあっただろうから、本を何十冊と送った。歴史、政治、経済、古典とかいろんなジャンル。米国の政治家ブキャナンの「超大国の自殺」とか中国の習近平について書かれた本とか。こういう考え方が正しいとかではなくて、その裏にある事実とか知識を知ることは今後に生きてくる。

 -松井秀喜のすごさは

 昌雄さん

 記録もすごいし、打者の表彰でもらっていないのが3冠王ぐらい。私も松井秀喜ベースボールミュージアムに展示されている品々を見ながら時々、思うのですが「秀喜はすごいやつだな」と。知り合いには「松井選手は生きているんですよね?」と言われたこともあった(笑い)。