<アスレチックス3-4レンジャーズ>◇21日(日本時間22日)◇オーバーストックドットコムコロシアム

 【オークランド(米カリフォルニア州)=佐藤直子通信員】レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)が相性の悪い球場で、苦しみながらも粘投した。6回を8安打4四球6奪三振。116球を投げ終えて3-3の同点で降板し、自身に勝敗はつかなかったが、チームは8回に勝ち越した。次回対戦への光明が差した。

 天敵打線にまたてこずった。今季初めて先制点の援護を受けてマウンドに上がったが、モスの同点ソロ弾をきっかけに3失点。4回まで毎回先頭打者に出塁を許したが、「チェンジアップとカーブを多くしたら、なんとか要所は抑えられた」と追加点を防いだ。

 試合後の会見では、快投を続けた3試合ほどの快活さはなかった。「2ストライクからでも変化球を拾ってきたり、いい球を結構打たれた。1人1人のアプローチがちゃんとしているし無理をしない打線」と相手を認めざるを得なかった。

 アスレチックス戦は過去7度先発して1勝6敗。初対戦した12年5月16日以来3年越しで白星に見放されている。特に、敵地では2戦2敗、防御率9・58と登板した球場では最も分が悪い。昨年9月4日の試合では、当時コンビを組んでいたピアジンスキー捕手(現レッドソックス)と口論するなど、いら立つ感情を抑えきれなかった。

 それだけに6回を3失点で投げきった意味は大きい。思い通りの投球が出来ない自分へのいら立ちを見せず、目の前の打者に集中できた。「前回(昨年9月4日)の登板よりも精神的にはるかに成長できたなと思っています」と珍しく自賛した。今季2勝目はならなかったが、チームの勝利に貢献。少しずつだが、天敵撃退への道を歩き始めた。