<ロイヤルズ6-1ツインズ>◇27日(日本時間28日)◇カウフマンスタジアム

 ロイヤルズ青木宣親外野手(32)が8回に貴重な勝ち越し打を放ち、チームの連勝に一役買った。この回1死一、三塁からダイソンが同点スクイズを決めた直後、打席に立った青木は外角カーブを逆らわずに打ち返した。打球は遊撃手の頭上を越えて左中間へ抜ける会心の一打となった。

 「勝負運があった。もうちょっと身長の高いショートだったら捕っていたかもしれない」と謙虚に振り返るが、打席では「自分が決めることしか考えていなかったです。ここで一気に逆転するっていう気持ちだった」。狙い通りの結果となり、一挙6点の逆転劇に地元ファンは沸き返った。

 3試合ぶりの出場だった。17日を最後に安打が出ず、25、26日は先発を外された。第1打席は一塁に足からスライディングするハッスルプレーで一塁内野安打をもぎ取り、17打数連続無安打に終止符を打った。これで吹っ切れたのか、8回に持ち味の逆方向への打撃を見せた。

 チームが7回まで2安打と打ちあぐねていたツインズ先発ヒューズを攻略。地区優勝を争うタイガースが負けたため、ゲーム差を2・5に広げて首位を守った。前日のサヨナラ勝ちに続く劇的勝利に「これから本当に勝たなければいけない試合ばかり。そういう気持ちを揺さぶられるようなプレーを、僕本人ももっともっとやっていきたいなって思います」と目を輝かせた。85年以来の地区優勝へ、青木が欠かせない存在となっている。(カンザスシティー=佐藤直子通信員)