<ア優勝シリーズ:レンジャーズ7-2ヤンキース>◇第2戦◇16日(日本時間17日)◇レンジャーズボールパーク

 【アーリントン(米テキサス州)=大塚仁】昨季まで2年間広島に在籍したレンジャーズのコルビー・ルイス投手(31)が、球団史上初となるポストシーズンの本拠地勝利をもたらした。6回途中まで2失点と踏ん張り、チームのポストシーズンでのヤンキース戦の連敗を10で止めた。チームは1勝1敗とし、5点差をひっくり返された第1戦のショックを振り払った。

 ルイスは最後まで冷静さを失わず、強力ヤ軍打線相手にアウトを積み重ねた。3回2死一、二塁では外角スライダーでロドリゲスを遊ゴロ。5回には外角速球でジーターを見逃し三振、テシェイラは低めカーブで空振り三振に仕留めた。5回2/3を2失点。6三振も奪う力投に「レギュラーシーズンと同じように投げられた」と胸を張った。

 来日前、メジャー通算12勝15敗だった右腕は、広島で飛躍した。2年で26勝、最多奪三振のタイトルも2年連続で獲得し「日本でのプレーは自信を与えてくれた。制球の大事さも学んだし、間合いを取る技術も覚えた」と投球の幅を広げた。メジャー復帰の今季は12勝。「ここにいられるのはカープのおかげ」と古巣への思いを口にした。

 元同僚の活躍のチェックは欠かさない。「前田健太はビッグイヤーだった。赤松や天谷がスーパープレーをやったときは、みんなにいろいろ聞かれたよ」。左わき腹には広島で入れた「愛」「神」「妻」「子」という漢字4文字のタトゥーが刻まれる。オフは何度もすしを食べに出かけ、お好み焼きも恋しくなる。

 レ軍はポストシーズン初出場の96年から本拠地7戦全敗だったが、8戦目で初勝利。日本の魂を背負って投げるルイスが、大一番でテキサスの英雄となった。