日本ハムの開幕ローテーション争いが白熱してきた。吉川光夫投手(26)が12日、イースタン教育リーグのDeNA戦(ベイスターズ)で5回無安打無失点と快投。開幕投手の大谷にメンドーサ、浦野に続いて開幕から6人を予定する先発枠へ前進した。

 威力十分の直球が相手のバットを押し込んだ。吉川が2軍戦で格の違いを見せた。最速146キロだった真っすぐは、まともに前に飛ばなかった。凡打の山を築き、5回までノーヒット投球。変化球とのコンビネーションも良く、5奪三振のうち見逃しが4個。何度もつむじ風が発生し、快晴ながらも荒れたコンディションで4四球も「バランス良く投げられた」と、気持ちよくマウンドを降りた。

 前回登板で感じた上昇傾向を、結果で示した。4日巨人戦(札幌ドーム)では4回1/3を9安打8失点(自責3)で降板。「こないだ(のテーマ)は高めでもいいから真っすぐで詰まらせること」と、快音を封じながらも不運な打球に泣いた。この日も掲げたテーマは同じ。小気味よく、ストライクゾーンに直球を投げ込み、力でねじ伏せた。伊藤2軍総合兼投手コーチも「あれぐらいの真っすぐが投げられれば十分、前回の上をいく内容」と、高評価を1軍首脳陣に伝えた。

 状態は投げる度に上がっている。「やることは、やれている。手応えのある中で、この状態を続けていって四球をなくすのが大事」と、課題も明確だ。開幕投手の大谷、安定感抜群のメンドーサに続く先発陣は、前日11日に好投した浦野が当確。先発6人態勢でスタート予定の残り3枠に、12年のパ・リーグMVP左腕が猛アピールに成功。昨季の開幕投手が、巻き返しを期す今季の開幕ローテーション入りをグッと引き寄せた。【木下大輔】

 ◆日本ハムの開幕ローテの現状 開幕投手は大谷に決定。また昨季、チーム最多26試合に登板し7勝(13敗)を挙げ、今月8日DeNA戦でも6回3失点(自責1)と好投したメンドーサも、すでに開幕ローテ入りが決まっている。11日イースタン教育リーグ巨人戦で5回3失点(自責2)と結果を残した浦野も当確。残り3枠を、この日猛アピールした吉川、武田勝に加え、7日DeNA戦で5回1失点(自責0)の上沢、同日の教育リーグ・ヤクルト戦で4回3失点(自責0)の斎藤、10日同リーグ楽天戦で5回3失点の中村、同4回1失点の木佐貫が争っている。