幕張の40歳も元気だ。ロッテ井口資仁内野手(40)が勝ち越し二塁打を放った。3-3の同点に追いつき迎えた5回1死一、二塁。ソフトバンク二保に対し、経験が勝利した。カウント2-1となり「バッティングカウント。打てる球をしっかりはじき返す」と腹をくくった。4球目。外角146キロを右翼線に運んだ。「外が多い投手。逆らわずに打って良いところに飛んでくれた」と狙いどおりだった。1年前は開幕から3連敗を喫した相手に、カード勝ち越しを決めた。

 日本球界に復帰して7年目を迎えた。チーム最年長だが、練習量は若手に負けない。1月には沖縄で走り込み「体の出来は本当に良い」と、万全でキャンプを迎えた。ベテランへの配慮から2軍スタートだったが、若手と同じメニューをこなした。準備万全で、開幕から5番に鎮座する。

 そんな井口に、今季は新たなモチベーションができた。広島に同学年の黒田が戻り「同級生は1人1人、いなくなりましたからね。交流戦で対戦できたら」と歓迎した。通常は年を重ねるにつれ、同い年の選手は減っていく。逆に増えたことを素直に喜んだ。青学大4年だった96年春には専大・黒田から神宮通算22号を放ち、当時の神宮記録だった法大・田淵に並んだ。08年には、パドレスでドジャース黒田と対戦。実力を知る好敵手との再戦を楽しみにしている。

 試合後、黒田が復帰勝利を挙げたことを聞くと「良かったですね!」と笑った。3点を追う4回には四球を選び、逆転の足がかり。若手が多いチームで、欠かせない仕事をした。【古川真弥】