日本ハム栗山英樹監督(53)が、今日31日からの敵地ロッテ3連戦で「スピリチャル」な勝負手を打つ。3戦目の4月2日の先発に当初の予定通り、斎藤佑樹投手(26)を投入することを30日、明言した。「チームを大きな流れに乗せる力がある人。トータルマネジメントする立場だと、そういうことも考える」。実力以外に“持っている”の形容詞が象徴するように、佑ちゃんが放つ不思議なパワーを起用の根拠にした。

 固く決断できる運命を感じたのが、この日だった。野球の手ほどきを受けた父正彦さんの命日だった。10年前の05年3月30日、73歳で天国へと旅立った。新千歳空港から、尊敬する父が眠る都内の多磨霊園へ向かった。ちょうど移動休日で墓参が実現。「何かあるんだろうね。『オヤジが話そう』ってことなのかな」と思いを巡らせた。リーグ優勝した就任1年目の12年。開幕戦は3月30日で、ちょうど命日だった。「何かあるのかな」。その一戦の勝利投手は、斎藤だった。

 激しくゲキを飛ばした。栗山監督は「ものすごく信じてる。『スットコドッコイ』だったら、すぐにけっ飛ばす」と、佑ちゃんを鼓舞した。開幕カード2勝1敗と順風満帆にスタートし、向かう2カード目はメンドーサ-吉川、そして直感を信じたジョーカーへ。天命を託した。