日本ハム大谷翔平投手(20)の「二刀流」が開幕する。今日31日ロッテ戦(QVCマリン)で今季初の野手で「5番DH」で先発出場が確実になった。3連戦の同カード2戦目まで出場濃厚。体調不良などでオープン戦の15日西武戦以来、約2週間ぶりの実戦での打席も、首脳陣は信頼の中軸起用。投手で開幕勝利を挙げた勢いで好調打線に加わり、ロッテ撃破の使者になる。

 無用な気持ちの抑揚は、もうない。「二刀流」で3年目。20歳のスラッガーは、心穏やかにもう1つの「開幕」を見据えていた。大谷はこの日、札幌を離れて千葉入り。今季初めて野手としてスタメンが見込まれる節目、ロッテ戦。約2週間空いた実戦打席でのブランクの不安を一掃し、言い聞かせた。「自分のしっかりとしたスイングをすること。それが一番、確率が高いのかなと」。

 厚い信頼で、野手でも大役を担う。楽天との3連戦で、チーム打率2割9分7厘。開幕投手の大谷不在で好循環したが5番ハーミッダを6番に「降格」させ、大谷を中軸へ配置する戦略だ。栗山監督は「打者としての感覚、感性をオレは信じている」と言う。オープン戦5試合で、すべて「5番DH」で起用。21打数4安打の打率1割9分と低調もブレない。

 自覚いっぱいだが、自然体で使命と向き合う。「開幕から打つべき人が打っている。(4番)中田さんとハーミッダが前後にいるので気負わずに、状況に合わせた打撃ができればいいと思います」。投手でのメニュー中心だった2月のキャンプ中も、単独での居残り特打が日課だった。

 1週間で今季初めて投打での出場が実現する。次回登板は4月4日オリックス戦を予定。「2年間やって来ましたから、普通通りにできればいいです」。キャンプイン直後から、打者での進化も顕著だった。レギュラー捕手の近藤が「あいつは化け物」とあきれたほど、ド肝を抜いていた。魅力あふれる、もう1つの刀を抜く。【高山通史】