祝福メッセージもBIGだった。ヤクルト戦(マツダスタジアム)の8年ぶり日本勝利から一夜明けた30日、広島黒田博樹投手(40)が同スタジアムで汗を流した。練習後にマーリンズ・イチロー外野手(41)ヤンキース田中将大投手(26)から祝福メッセージが届いたことを明かした。お祭りムードの中、黒田の目線は既に次回登板予定の中日戦へ向けられていた。

 広島黒田の元には、海を越えて祝福メールが届いていた。「広島黒田」での2740日ぶりの復帰初勝利とはいえ、やはりそこは「KURODA」だった。昼下がりのマツダスタジアム。強い日差しを時折まぶしそうにしながら明かした。まずはヤンキース田中の名前を出した。

 黒田 まさお(田中)なんかは「ナイスバッティングです(笑)」ってきてました。「笑い」がついてましたからね。僕のバッティングをなめてるんでしょうね(笑い)。

 第2打席で放った右翼線二塁打のお祝いだった。黒田はメジャー7年間で計209打数21安打、打率は1割。自らも「好きじゃない」と話す打撃をいじられて、うれしそうだった。田中は黒田のツーシームを参考にしている。眉を下げた表情から、かわいがっていたことは想像にたやすい。黒田は続いて、マーリンズ・イチローの名前を出した。

 黒田 イチローさんともずっとメールのやりとりをさせてもらっていて、そのなかでね。「マイアミからまた応援している」といただきました。

 マ軍入りが決まり、ユニホーム姿を披露した際には「さすがですね。何を着ても似合うなと思いました」と話すなど、羨望(せんぼう)のまなざしを送っていた。7回無失点、わずか96球で飾った今季初勝利を、先輩イチローも喜んでくれていた。黒田は照れくさそうだった。

 それほど、世界中が祝福ムードに包まれていた。だが黒田の気持ちは既に次回登板が予想される中日戦(4月3日から、ナゴヤドーム)に向いている。マツダスタジアムではグラウンドに出ることはなく、屋内でトレーニングを行った。前日からの疲労とハリなどは想定内。「まだまだ始まったばかり。先は長いですから。当然準備しないといけないので」。黒田はこれからも投げ続ける。喜んでくれる人のためにも、1球の重みを感じながら。【池本泰尚】