伝説のバックスクリーン3連発から30年、和田阪神が記念すべき「4・17」にあと1本が出ずに敗れた。1点を追う9回2死一、三塁。最後は3番鳥谷が倒れて試合終了。甲子園には虎党のため息が充満した。

 試合前にはバース氏、掛布氏、岡田氏のレジェンド3人がそろって始球式を行い、3連発が飛び出した7回の攻撃前には3人が大型ビジョンに映し出され、盛り上がった。だが、初回の3失点を最後まで追いつけず、借金は再び今季最多の「4」となった。

 「あと1本というところだけど、一昨日までの空気とは違うよね。負けて言うのも何だけど、これまでの10敗とは違う雰囲気が出てきたから」

 敗戦後、和田豊監督(52)は厳しい表情ながらも1番上本が2安打、4番ゴメスがタイムリーを放つなど不振だった打者に当たりが出てきたことを前向きにとらえた。

 ただ、初回には一塁ゴメスが坂本のゴロをアウトのタイミングだった本塁に送球せず、みすみす先制を許すなど守備面のミスもあった。就任以来、甲子園では守り勝つ野球を目指すと宣言してきた指揮官だけに守り負けの側面もあった。85年は打ち勝っての日本一。今季はまだ猛虎のカラーが出せていない。【鈴木忠平】