日本ハムのドラフト3位ルーキー浅間大基外野手(18)が、清原&松井を超えた。オリックス7回戦に「2番中堅」でスタメン出場し、プロ初の三塁打を含む2安打を放った。5日の楽天戦で初出場初安打を記録してから3試合連続ヒットは、高卒ルーキーではドラフト制導入後2人目となる快挙だ。ニューヒーローの勢いはまだまだ止まらない。

 新星の輝きが、止まらない。4回2死二塁。浅間が、外角への143キロ直球に執念をぶつけた。「(二塁手のグラブを)越えろ! と思いながら走ってました」。打球は右翼手も越えるプロ初の三塁打となった。2戦連続での打点付き。第1、2打席では好機に凡退し、持ち前の負けん気が燃え上がっていた。「3度目のチャンスをつぶすわけにいかない。何としてでも、打ってやろうと思っていた」と大粒の汗を拭った。

 走りだした勢いは、加速する。6回無死三塁では121キロの外角低めスライダーを、しなやかに逆方向の左前へ飛ばした。高卒新人離れした打撃でプロ初の1試合2打点を挙げた。「たまたまです。必死にやっています」。高卒ルーキーのデビュー戦から3試合連続安打は、ドラフト制後、99年赤田(西武)以来16年ぶり2人目。好調を続けるチームの2番打者として、存在感を見せている。栗山監督は「いろんなことが出来ると信じています」と目を細めた。

 高いステージで、本能は開花する。高校2年の13年夏。神奈川県大会準々決勝でプロ注目の桐光学園のエース松井裕と対決した。「それしか覚えていないですね」と野球人生で最も印象に残っている一戦。2ランを放ち一躍、全国区に名を広めた。「人が変わったようでした。良いイメージを持っているので打てないとき(動画で)見ますね」。視察に訪れていた担当の大渕スカウトディレクターの心を射貫いた1発だった。鮮烈だった姿を、今はプロで再現している。

 切れ長の視線の先は、高みしか見えていない。2軍では3割2分3厘、42安打。昨年、チームメートの岸里がイースタン・リーグで高卒新人では球団最多となる107安打をマークした。岸里からは「浅間なら余裕で超えられる」と太鼓判を押されても、浅間は謙遜しながら言い切る。「1軍で取らないと意味がないので」。底知れぬ意識の高さが、根底にある。

 フレッシュで、頼もしい姿が、勝利に続く風を吹かせている。【田中彩友美】

 ▼浅間がプロ初の三塁打を含む2安打で、初出場の5日楽天戦から3試合連続安打。高卒ルーキーがデビュー戦から3試合以上の連続安打は、99年赤田(西武)が8月20日オリックス戦から1本→2本→1本→1本と4試合続けて以来、16年ぶり。86年清原(西武)は1本→2本→0本、93年松井(巨人)は1本→1本→0本の2試合止まりで、ドラフト制後(66年以降)は赤田と浅間の2人だけ。

<浅間大基(あさま・だいき)アラカルト>

 ◆生まれ 1996年(平8)6月21日、東京都出身。183センチ、75キロ。右投げ左打ち。家族は両親と姉2人。

 ◆アマ時代 牛込一中では新宿シニア所属で投手兼外野手。横浜では1年春からベンチ入りし、2年夏の県大会準々決勝で桐光学園・松井(現楽天)から2ランを放つ。高校日本代表。

 ◆強心臓 高校日本代表として参加した14年9月のU18アジア選手権(タイ)のレセプションで、お笑い芸人のような炭酸飲料一気飲みのネタを披露。「(プロでも)やれと言われたらやりたい」。

 ◆1軍デビュー前 キャンプ中は高卒ルーキーながら紅白戦2試合に出場。オープン戦も2月22日ヤクルト戦に「7番中堅」で先発。2軍戦は主に1番打者で起用され、30試合出場で打率3割2分3厘、2本塁打、21打点。

 ◆早くもグッズ 8日発売の球団「名言Tシャツ第2弾」でデビュー戦のコメント「ドラフト3位で入団しました、ルーキーの浅間大基です」が採用に。