打ち合いなら負けない。ソフトバンクが、オリックス戦で両軍8本塁打の乱打戦を制した。松田宣浩内野手(32)が9号ソロに10号3ランと今季初の1試合2発をマーク。李大浩内野手(32)が11号2ラン、柳田悠岐外野手(26)は特大バックスクリーン弾。アーチ合戦を豪快に打ち勝ち、首位キープだ。

 吹っ切れた笑顔だった。4回、李大浩の本塁打に松田が続いた。東明の外角カーブをとらえ、左翼ホームランテラス席に9号ソロ。今季3度目となる2者連続本塁打は、16日西武戦以来、4試合、14打席ぶりとなるヒットでもあった。貴重な追加点を奪うと、ここからバットも勢いづいた。

 「3試合ヒットがなかったので本当にうれしかった。あれがあったから2本、3本と(安打が)打てた」

 松田は6回に左前打を放つと、7回には2死一、二塁で右翼ホームランテラス席への10号3ラン。今季6度目の猛打賞となる一打でリードを7点に広げ、試合を決定づけた。昨年4月23日日本ハム戦以来、今季初となる1試合2発だった。

 「前にいい打者がそろっているので、歩かされて僕で勝負ということもあるから打たないと。練習でもいろいろ意識を変えてやっていたので、打ててよかった。2本目の本塁打は、逆方向への今年一番の当たりでした」。工藤監督も「当たりが出ていなかったが、最初の1本でタイミングを取り戻した」と、復調の気配をみせた6番打者に目を細めた。

 今年はチームスローガンである「熱男」と書かれたシールをバットのグリップエンドに貼り、「松田熱男です」と自己紹介するほど熱い選手会長。開幕から42試合目で早くも3年連続となる2ケタ本塁打に到達。うち4本はテラス弾だが「フェンスを越えれば一緒。この時期に出てよかった」。年間10度が目標のお立ち台もチームトップの6度目だ。

 これでオリックス戦は開幕から4カード連続の勝ち越し。両軍8発のアーチ合戦を力ずくで制した。松田は「さあ、今から札幌行ってきます!」と、威勢よくロッカー室へ向かった。今日22日からは日本ハムとの首位攻防戦。まずは今季6勝と無傷の大谷に黒星をつけるべく、勢いそのままに北海道に乗り込む。【福岡吉央】