中日の連勝は4で止まった。右肘の不調などで17日阪神戦の予告先発を回避した吉見一起投手(30)は7回2失点と踏ん張った。7回、エルナンデスの同点弾で息を吹き返したかに見えたが、9回に救援陣が打たれ、開幕からの“吉見神話”は5連勝まで。2度目の「昇竜ユニホーム」で臨み、平日に今季最多3万7753人を集めた試合で悔しい敗戦になった。

 9回、代打小笠原のコール。竜党は鮮明に覚えている。前回の昇竜ユニホーム着用時、4月5日広島戦は延長12回、小笠原の左前打でサヨナラ決着。ユニホームに込めた祈りは今度は打ち砕かれた。豪快な空振りで幕切れを迎えた。

 7回、エルナンデスが同点のソロ。4月に5度も沸かせた「サヨナラの竜」が舞い戻ってくるムードが漂い始めた。しかし9回に高橋聡、田島が勝ち越しを許した。

 復活した吉見が投げる試合は5連勝中だった。右肘の不調で前回登板を飛ばし、中12日と空いた影響か、エンジンのかかりが悪い。先制直後の3回に同点にされ、6回は2死から失点。それでも7回2失点とまとめたが「0点で抑えられた試合でした。ただそれが野球。切り替えていかないといけない。情けないです」と反省した。

 打線も初対戦の左腕ポレダにてこずった。対左打者の被打率が高いことから、荒木ではなく左腕先発時では初めて亀沢を起用したが攻めきれなかった。

 「無死満塁で最低限の点は取れたけど、僕もつなげられていれば流れが来ていたかもしれない」。指揮官は自らの名前を出した。2回の無死満塁で奪えたのはエルナンデスの併殺打の間の1点だけ。続く谷繁は見逃し三振で三塁走者をかえせなかった。振り返れば悔やまれる攻撃だった。

 勝てば巨人と並んで2位浮上だった。競り負けて、連勝は4で止まり。勝率は5割に逆戻り。吉見の連勝神話も崩れた。交流戦開幕まであと2試合。最多観衆につかせたため息を反発力にしなければならない。【柏原誠】