アラキクマルで上位進出だ! 広島菊池涼介内野手(25)が21日、ベテラン新井との共闘を誓った。緒方カープの顔としてキクマルコンビでチームを引っ張ってきたが、8年ぶり復帰の新井の存在が負担を軽減してくれている。3連勝を狙ったDeNA戦は雨天中止となったが、チームは5月17日以来の最下位脱出。新トリオがけん引し、一気に上位をうかがう。

 DeNA戦を雨で流した広島ナインに落胆の色はない。最近10試合で48得点と攻撃陣が活発。4戦連続安打の菊池は、好調の要因にベテランの存在を挙げた。

 「新井さんはゴッド(神様)。打って欲しいときに打ってくれるし、出塁して欲しいときに四球を選んでくれる。ときにはチャンスメークして、得点が欲しいときには得点を挙げてくれる。(キクマルではなく)アラキクマルです」

 菊池と丸のキクマルコンビが広島の顔だが、今の打線をけん引するのは新井を含めたトリオだ。新井が外国人らと中軸に入るようになり得点力が上昇。「序盤は打たないといけないと思いブンブン振りましていた」と、2番菊池の負担も軽減された。

 20日DeNA戦の1回無死一塁では菊池がバスターエンドランを決めた。緒方監督は「調子が悪いとバントをさせないといけないが、調子が上がれば簡単にバントはさせない」と話す。交流戦中に指揮官から考えを伝えられた菊池は「何かしないといけないと考えていたけど、その言葉で割り切れた」と話す。

 明日23日阪神戦は高校時代を過ごした長野で行われる。武蔵工大二の恩師・大輪弘之氏が観戦に訪れる。「(選手としての基礎は)大輪さんに固めてもらった。野球ではよく怒られたけど、それ以外では神様みたいな人」。横手からのスナップスローを禁止され、捕球から送球までの基本動作をたたき込まれた。

 菊池だけでなく、丸も復調気配。新井も前日20日に先発復帰。役者はそろった。「諦めた試合は1つもないし、諦めずにやった結果、3ゲーム差にいられる」。アラキクマルトリオを中心に上位進出の機運は高まっている。【前原淳】