巨人マイルズ・マイコラス投手(26)が、今季2度目の完封勝利を2安打無四球で飾った。9回2死で代打ユウイチを空振り三振に仕留めると、右手で思い切りグラブをたたき、歓喜の声を上げた。巨人の新外国人では88年ガリクソン以来2人目となる2度目の1-0完封勝利。「最高の形で締められうれしかった」と笑顔で汗をぬぐった。

 流れを変える投球がしたかった。チームが3連敗中だっただけに、テンポのいい投球で攻撃にリズムをつけたかった。「有利なカウントになれば楽になる」とストライク先行を心掛け、打者29人中で初球ボールは6人だけ。ムードを明るくすべく「うまくいかない時の気分転換だよ」とズボンの裾を上げるオールドスタイルにして臨んでいた。

 伝説のホームラン王の“幻影”も、快投を後押しした。34年の日米野球でベーブ・ルースがプレーした球場のマウンドに立つと「あの打席に立ったのかと思うと感慨深かった」と心が震え、気が引き締まった。そんな特別な場所で連敗を止める完封劇を演じてみせた。「(相手が)ベーブ・ルースだったら慎之助さんみたいなホームランを打ったと思うよ」と笑いつつ「1-0の勝利は自信になるね」と喜んだ。【浜本卓也】

 ▼マイコラスが6月4日オリックス戦に次いで今季2度目の1-0完封勝ち。巨人で月間2度の1-0完封勝利は、46年5月藤本英、73年9月高橋一、75年8月玉井、89年6月槙原、92年8月斎藤雅に次いで23年ぶり6人目だ。巨人の外国人投手では88年ガリクソンが7月と8月のシーズン2度記録しているものの、月間2度はマイコラスが初めてになる。これで6月の巨人は6勝12敗となったが、白星を挙げた先発は2日田口、4日マイコラス、20日マイコラス、27日マイコラス。今月4日以降はマイコラスしか勝っていない。