リフレッシュした道産子右腕に1軍復帰祝いの白星が舞い込んだ。前日3日に再昇格した日本ハム鍵谷陽平投手(24)が、9回に5番手で復帰後初登板。無失点に抑えてチームに今季4度目の4連勝を呼び込んだ。「いい場面だったし、ゼロでいけて良かった」。失点すればサヨナラ負けのプレッシャーもはねのけ、最速149キロの直球を軸に力でねじ伏せた。

 心身ともに、英気を養った。2月の春季キャンプから全速力で突っ走ってきたが失速。6月9日巨人戦から登板3試合連続で失点し、同22日に降格。首脳陣から与えられた早めの「夏休み」だった。2軍調整中は「ゆっくり過ごせました。頭も体もスッキリした」。張り詰めた空間から一時解放され、肉体的にも精神的にも回復できた。

 大先輩から金言も授かった。2軍調整中の前守護神、武田久から「あまり完璧を求めすぎるな」と声をかけられた。この日、四球を与えても「走者を出しても何とか抑えればいいや」。割り切った思考と、よみがえった剛球で華麗に大舞台に舞い戻った。栗山監督も「(力強い)ボールが戻ってきていた」と、高く評価した。今季2勝目のご祝儀を手に、頼もしく鮮烈に復帰した。【木下大輔】