最下位オリックスが非常事態をしのぎ、1分けを挟んで7月初の2連勝とした。「前田と岸田が頑張っていい投球をしてくれた」と福良淳一監督代行(55)。前日は5時間22分の末にお疲れドロー。一夜明けて暑いデーゲームで、緊急登板の左腕前田祐二投手(29)が白星を呼び込んだ。

 1カ月半ぶり先発のバリントンが、右かかと付近を痛め、無安打のまま6回無死一塁で降板。前田は2番手で指名された。「使ってもらってありがたかった。バリントンが久しぶりだったので、勝ちをつけたかった」。疲れや眠気は気合で吹き飛ばし、無安打のまま次の岸田につなげた。

 前日の延長戦の最後にマウンドにいた。しかも43球も投げていた。試合終了は午後11時22分。宿舎に戻って体のケアを施し、食事をして、コンビニで買い物。就寝は午前3時で、睡眠は6時間にも満たなかった。そして午後4時5分に登板。「少し体の張りはあったけど、気持ちで負けないようにした」。“中16時間43分”での好投だった。

 岸田も7回を3者凡退。8回に佐藤達が打たれ、公式戦史上初となる4人以上継投によるノーヒットノーランは消えた。それでも逃げ切ってようやく30勝目。相変わらず故障者が多いが、全員でカバーしていけば、少しずつ光が差し込むはずだ。【大池和幸】

 ▼楽天-オリックス戦は楽天11三振、オリックス13三振で両軍ともに毎回三振を喫した。2リーグ制後、両軍毎回三振は99年9月12日日本ハム-西武戦、04年4月30日巨人-広島戦、同年9月20日西武-ロッテ戦に次いで4度目。04年の2試合は9回裏なしのケースで、両軍とも9回まで毎回三振は2度目。