雨降ってG倒! 広島前田健太投手(27)が、明日24日の巨人戦(マツダスタジアム)にスライド登板することが決まった。中日戦は試合開始直前の午後5時45分に雨天中止が決定。今季6度目の中止となった。黒田博樹投手(40)も同カードで登板する可能性もある。ダブルエースのそろい踏みも浮上し、上位進出のカギとなる一戦に挑む。

 マエケンは外野でキャッチボール中だった。試合開始予定時刻の15分前。午後5時45分に大型スクリーンが青色に変わった。青地に白で「雨天中止」の文字。球団の苦渋の決断だったが、雨がっぱのファンからは残念がる声も上がった。エースも、ファンの無念は百も承知だろう。スライドで明日24日巨人戦(マツダスタジアム)の登板が決まると、気持ちを切り替えた。

 「明日(23日)投げるわけじゃないので、調整も難しいわけではない。球宴から中3日だったので、いい休養と思いたい。(肩を)つくる前でしたし」

 今季2度目のスライド登板も問題はない。中止を残念がったファンにとっても、エースが巨人戦に回ることは救いにもなるだろう。「巨人も含めて全部のチームに勝っていかないといけない。1個で順位が変わるので」。投げる試合に全部勝つという気持ちは変わらない。だが上位チームに直接勝てば順位はすぐに変わる。優勝するために勝たなければならない相手に、エースが投げるのは心強い。

 最強ローテの可能性も浮上した。当初の予定では、24日の先発は黒田だった。マエケンのスライドによって、黒田もスライドすることも考えられる。するとマエケン、黒田のダブルエースが巨人にぶつかる可能性が浮上する。3戦目に巨人に強い福井をぶつければ、雨天中止ショックなど吹き飛ぶG倒ローテ完成の可能性もある。

 借金4で順位は5位ながら、首位とは2ゲーム差、3位巨人とは1ゲーム差の位置にいる。前田は言う。「まだ借金があるので。まずは返さないといけない」。役割はチームを勝利に導くことだけだ。その右腕で、混戦セ・リーグをかき回す。明日は晴れ予報だ!【池本泰尚】