広島が今日28日からのヤクルト3連戦で、初戦から黒田博樹投手(40)今井啓介投手(28)薮田和樹投手(22)を先発に立て、7連勝と好調なツバメを止めにかかる。第2戦の29日は今井が2年ぶりの先発予定。今季はここまでおもにロングリリーフ要員として10試合に登板し防御率1・76と好成績をマーク。中継ぎとして結果を残してきた自信がある。無心で挑むマウンドで白星をつかみ取る。

 顔つきは精悍(せいかん)なままだ。明日29日に先発予定の今井が13年9月8日DeNA戦(横浜)以来、2年ぶりの先発に備え、東京に乗り込んだ。野村の不調もあって回ってきた先発のチャンス。極めて冷静で自然体だ。もう慌てる姿はない。

 「特に何も思うことはないです。ただ最初に投げるだけ。先発と思わず中継ぎのつもりで投げたい。もちろんチャンスですけど、あまり考えずに投げたい」

 悟ったように言葉を並べた。先発として期待されながら、チャンスを生かし切れなかった過去の反省がある。「(昔は)ものにしようと狙い過ぎていた」。今季はここまですべて中継ぎで10試合に登板し、防御率は1・76。登板数こそ少ないが、ロングリリーフ要員として試合を立て直し、チームを支えてきた。

 相手は7月17試合でチーム打率3割7厘、91得点と好調なヤクルト打線だが「打線は水物なので」と、興味を示さない。2軍時代から小林投手コーチに言われてきた「プラスに考えること。やってだめなら仕方ない」との教えをかたくなに守る。キレのある直球と黒田直伝のツーシームで、堂々と立ちふさがる。

 今日28日の初戦先発は、故障抹消から復帰後の公式戦初マウンドとなる黒田。無心の今井がバトンを受け、フレッシュなルーキー薮田へとさらにつなぐ。チームは借金5で首位ヤクルトとは4ゲーム差だ。負けられない戦いへ。右腕3人がヤクルトを一気に飲み干す。【池本泰尚】