中日の連敗はついに「7」になった。大野雄大投手(26)を立てた巨人戦に敗れた。大野は3登板連続の黒星で、今季の巨人戦5戦勝ちなし。10勝チャンスも三たび逃した。7連敗は山田久志監督だった02年以来13年ぶり。他5チームの背中が急速に遠のく中、谷繁兼任監督が「勝負」とにらむ8月戦線に突入する。

 背番号22をホーム側に向けたまま、大野は約20秒も立ちつくした。村田の3ランは竜党の陣取る左翼席に吸い込まれた。痛恨の1球。「外のまっすぐでいくつもりがあそこにいってしまった。逆球だし、高かった」と、うめいた。

 初回に失策と3連打、犠飛で3点を失った。以降は何とか持ち直した。直球を軸にしたテンポのいい投球で大野らしさが戻っていた。打線も6回に3-3に追いついた。相手投手ポレダは先に降板した。大野の踏ん張り次第で、勝敗が決まりそうな展開だったが…。8回2死一、二塁。村田への3球目は一番投げてはいけないコースに入った。

 「チームも苦しいし大野も苦しい。ここを乗り越えられるようになったら大野もレベルが上がるというところで、また踏ん張り切れない。もうひと踏ん張り、やってほしい」。高い期待を寄せ続ける谷繁兼任監督も、3戦連続黒星の左腕に奮起を求めた。

 ついに7連敗-。落合監督、高木監督の時代にはなかった02年以来13年ぶりの屈辱だ。谷繁兼任監督は覚えている。前回の7連敗時は中日移籍1年目。山田監督は8連敗を阻止すべく、初めて立浪和義を4番に据えた。その試合で決勝アーチを放ったのが31歳の谷繁だった。もがき苦しんだ末につかんだ勝利の重さを知っている。

 補強期限の7月がこの日で終わった。補強はペレス、ネイラーの両投手だけ。まだ戦力として見通しは立っていない。指揮官が「勝負」と位置づける8月に入った。来週からは6連戦が5週続く。首位阪神とは9ゲーム差、5位DeNAとは4ゲーム差。いよいよ危険水域に入った。【柏原誠】