外国人パワーで連勝だ! 広島は序盤に失点する劣勢から、逆転で阪神3連戦に先勝した。3番ライネル・ロサリオ外野手(26)と5番ヘスス・グスマン内野手(31)がそろって2打点の活躍。連勝で借金は4。停滞感が続いたチームに、2人の中南米出身選手が勢いをもたらした。

 ラテンのリズムに乗って快音を響かせた。ベネズエラ出身グスマンが特大弾で静まりかえっていた広島ナインのテンションを上げると、ドミニカ出身ロサリオが2度の同点打で勝利への終曲を奏でた。ロサリオは言った。「心でプレーしている。これからもチームの勝利に貢献したい」。中南米出身の2選手が逆転勝利を呼び込んだ。

 反撃ののろしはグスマンだ。3点を先制された直後の1回裏。無死一塁から、初対戦の岩田の内角145キロ直球を振り抜いた。打球は左中間最深部に着弾。緒方監督は「あの1発が雰囲気をガラッと変えて、行けるという空気にしてくれた」と振り返った。

 1点を追う5回はロサリオだ。2死三塁から三塁線を破る同点打。再び勝ち越しを許した7回も無死一、三塁で安藤の外角スライダーが弾丸ライナーで遊撃の横を抜いた。「とにかく今は冷静に打席に入れている」。2試合連続マルチ打点に胸を張った。

 スペイン語圏の2選手は、春季キャンプ中から行動を共にする時間が多かった。2軍では師弟関係。ロサリオはメジャーで実績のあるグスマンから指導を受けた。この日もベンチで相手投手や打撃について母国語で意見を交わした。ロサリオは「いろんなことを知っている彼の存在は非常に大きい」と2人で導いた勝利に喜びも倍増だ。

 広島は阪神に先勝し、連勝で借金を4に減らした。緒方監督は「外国人選手が本当にいい起爆剤になってくれている」と賛辞。チーム内では外国人枠と戦う2選手の危機感が、チームの停滞感を打ち破ろうとしている。【前原淳】