ソフトバンク松坂大輔投手(34)が18日、内視鏡による右肩関節唇および腱板(けんばん)クリーニング術、ベネット骨棘(こっきょく)切除術、後方関節包解離術を関東地方の病院で受けた。退院後、リハビリを開始する予定。米国を拠点とする選択肢を含め、検討していく。実戦復帰まで6カ月を要すため、今季中の登板は消滅。巨額の3年契約で2年目となる来季開幕を目指すことになる。

 悩める怪物が選手生命をかけ、重大な決断を下していた。9年ぶりに日本球界復帰を果たし、開幕ローテーション入りを目指した。しかし3月にインフルエンザに感染し、歯車が狂った。開幕直後には右肩の筋疲労で無期限ノースローに。5月20日ウエスタン・リーグ、オリックス戦で実戦復帰したが、再び不調を訴えた。その後、ペースは上がらず、ブルペン入りのメドは全く立っていなかった。その状況下で、手術の覚悟を固めた。

 チームでは、かつて斉藤和巳氏が右肩腱板修復手術から再起を目指したが、復帰できずに現役を引退。それでも松坂に関して、球団側はあくまで前向きだった。田中トレーナー統括は「そんなにひどくはなかったので、縫合(手術)などの必要はなく、クリーニングで済んだ」と説明した。

 工藤監督も「悩んでいたと思うが、早く結論を出した方が切り替えも早くできる。リハビリやトレーニングをうまくやってくれたら、(復帰は)6カ月でスムーズにいくんじゃないか」と話した。手術の決断が吉と出るか。日本再デビューまで、厳しい道のりが待っている。