ソフトバンク内川聖一外野手(33)が約1カ月ぶりの1発だ。3点リードの5回2死。楽天入野の内角スライダーを捉え、左翼席に運んだ。8月1日西武戦以来、22試合ぶりの9号で、3年連続7度目の2桁本塁打にも王手だ。

 「体が反応して、バットを振ったら入った。ただ、勝たないと意味がない。感覚が良くなったとか言っている時期ではない」

 8月生まれの夏男も、今年の8月は打率1割7分4厘と低迷した。わずか6打点に終わったが、9月は4試合で早くも4打点。前日まで2試合連続で2安打し、この日も初回の三直、3回の左飛、7回の遊直は、いずれもボールをとらえたライナー性の打球だった。

 この日の結果次第では2年連続のCS進出が決定したが、お預け。優勝マジックも14のままで、3カード連続で初戦を落とした。それでも首位を独走するチームに暗さはない。工藤監督も「前の打席にライナーを打って、だんだん(調子が)上がっていくよと言ったら本塁打になった。自信になればより良くなる。切り替えていきましょう」と前向きに話した。敗戦の中にも収穫あり-。そんな雰囲気の漂う、4番打者の久々の1発だった。【福岡吉央】