ゴ、ゴ、ゴメスの大逆襲~。阪神マウロ・ゴメス内野手(31)が来日初の3試合連続アーチをかけた。4回、先頭で杉浦の初球、外角直球をバックスクリーンへ17号同点ソロ。19日DeNA戦で27試合ぶりに1発を放つと呪縛を解かれたバットが金棒になった。自力V消滅もなんの。今日の巨人戦から、爆勝ロードへ、行ってみよう!

 完全復活だ。「ゴールはケチャップみたいなもの。出ないときは出ないが出るときはドバッと出る」。サッカー界に存在する例え話のように、ゴメスの勢いが止まらない。来日初となる3試合連続アーチ。まるでその余韻を楽しむように、蓄えられたひげをなびかせダイヤモンドを回った。

 「しっかりと捉えられたよ。いい感触だったね」

 1点ビハインドの4回先頭。ヤクルト杉浦の初球にそのかいな力がさく裂した。外角直球に腕を伸ばし強振。完璧な当たりはバックスクリーンへと吸い込まれた。8月14日から9月18日までの約1カ月、26試合にわたり本塁打を打てない時期もあった。だが19日DeNA戦で呪縛を解いたバットから快音が止まらない。不振を乗り越え、万感の思いがあるのかと思いきや「(連続本塁打は)結果的にそうなっているけれども、自分にとってはあまり特別ではないね」とクールに語る。

 本塁打を放った際のベンチ前の列。最後尾で待つ今成と行う、左手を伸ばして左足を上げる決めポーズがある。

 「あのポーズの意味は知っているよ。自分はあんなパフォーマンスは出来ないけど(笑い)」

 今夏ネット動画で話題になったヌンチャク球児をまねたもので、8月9日DeNA戦で初お披露目。今やお決まりとなっている。

 「あの構えは気に入っているよ。特に足を上げるところだね! 今成と同じタイミングで上げるのが難しいんだよ(笑い)」

 決めポーズをやった数だけチームは勝利に近づく。この日は残念ながら空砲に終わったが、間違いなくドミニカンの一撃で球場の空気、試合の流れは一変していた。

 「ボールもよく見えているし、タイミングも合ってきている。(巨人戦は)頑張って勝ちたいと思う。それだけです」

 最後は語気を強めて今日22日から始まる巨人戦に照準を定めた。もう後ろを振り向く暇なんてない。復調を果たしたG砲が東京ドームで勝利のアーチをかける。【梶本長之】

 ▼阪神ゴメスが初の3試合連続本塁打。今季は6月27、28日DeNA戦(甲子園)で8号、9号をマーク。3番福留と2試合連続で同一打者による2者連続アーチをかけた。1年目の昨季は26本塁打のうち2試合連続が4度あった。

 ▼阪神で3試合連続本塁打は新井貴が13年5月5日ヤクルト戦(甲子園)6、7日巨人戦(東京ドーム)で記録して以来。外国人では10年8月29日ヤクルト戦(神宮)31日、9月1日横浜戦(甲子園)で記録したブラゼル以来となった。ブラゼルは同年5試合連発もマークしている。