オリックスが来季監督について福良淳一監督代行(55)の内部昇格で最終調整に入っていることが29日、分かった。6月の監督代行就任後、球団からここまでの戦いぶりを評価され昇格が有力視されていたが、正式に監督に就任することが決定的となった。また球団がOBの田口壮氏(46=野球解説者)に入閣要請する方針を固めていることも判明した。

 来季の「福良オリックス」の正式決定が秒読み段階に入った。シーズン最終戦を来月3日に控える中で、球団は、次期監督候補を福良監督代行に一本化。現在は監督人事の決定権を持つ宮内義彦オーナー(80)の了承を含めた調整が、大詰めの段階を迎えている。

 福良監督代行は6月の森脇監督の休養に伴ってヘッドコーチから監督代行に就任。故障者によって多くの戦力を欠きながらここまで奮闘を続けている。残念ながらBクラスが確定しているものの、球団はその手腕とバランス感覚に優れた統率力を高く評価。来季は監督への内部昇格が有力な状況となっていた。

 同時に組閣作業も進められており、OBの田口氏の入閣も有力視される。宮内オーナーの母校関学大の後輩である同氏は、91年ドラフト1位で入団。イチロー(現マーリンズ)らと鉄壁の外野陣を結成した。95年のリーグ制覇、96年の日本一に貢献。米大リーグ移籍後は06年カージナルスなど2度のワールドチャンピオンも経験した。

 その後はオリックスに復帰し、12年の現役引退後は解説者として活躍している。誠実な性格で、豊富な経験を生かした理論を持つ田口氏には、以前から指導者復帰の待望論があった。球団は主要ポストを要請するとみられ、こちらも現在調整中だ。

 谷、平野恵の両ベテランが今季限りで現役を引退するなど世代交代の時期にあるオリックス。来季は20年ぶり優勝に向け、巻き返しの意欲は強い。その根幹となる首脳陣の枠組みが、着々と進められている。

 ◆田口壮(たぐち・そう)1969年(昭44)7月2日、兵庫県西宮市生まれ。関学大から91年ドラフト1位でオリックス・ブルーウェーブ入団。走攻守そろった実力で95年からのリーグ2連覇、96年の日本一に貢献。01年オフにFA宣言し米大リーグのカージナルスへ。以降8年間でフィリーズ、カブスと3球団でプレー。その間、ワールドシリーズに3度出場、世界一を2度経験。10年からオリックス復帰も11年限りで退団。12年9月に現役引退を表明。現役時は177センチ、77キロ。右投げ右打ち。