福岡6大学の優勝決定戦は九共大がサヨナラ勝ちで2季ぶり40度目の優勝を果たした。延長13回の1死満塁から、主将の村井昇汰内野手(4年=北大津)がスクイズを決めての劇的Vだった。

 鍛え抜いた勝負強さで激戦にピリオドを打った。延長13回裏の1死満塁。九共大・村井主将の気持ちはひとつだった。「絶対にオレで決めてやる」。スクイズのサインに「飛びついてでもやるつもりだった」と外角低めの厳しいコースにもしっかり前に転がした。優勝を決めるスクイズでサヨナラ勝ち。歓喜の輪に入ると笑みがはじけた。

 まさに激戦だった。九産大を9回2死走者なしまで追い詰めながら、連打と暴投で同点とされた。それでも村井は「野球って楽しいなと思った」と激闘を楽しんだ。リーグ規定では延長は12回までだが、優勝決定戦は決着がつくまでの特別ルールで13回に突入。九共大ナインには自信があった。「昨年の倍となる3、4時間はシート打撃をやった」(村井)。実戦練習を繰り返したことで、3位に終わった春のリベンジにつながった。

 前週(9月27日)に九産大との直接対決。負ければV逸の8回2死まで負けていたが、そこから3連打で逆転。ミラクル劇で息を吹き返すと「サヨナラ優勝」というフィナーレが待っていた。上原忠監督(48)は「うれしいのひとこと。4年生が頑張ってくれたことと、春の悔しさが実りました」。28日からの九州大学野球選手権でもこの勢いで明治神宮大会の切符を手にする。【浦田由紀夫】