日本シリーズ進出を決めたヤクルトの真中満監督(44)が勝利監督インタビューで開口一番、イキなコメントを口にした。

 「ファンのみなさん、おめでとうございます」。

 01年、優勝時の若松監督が発した「名セリフ」だ。かつて耳にした名セリフにスタンドを陣取った燕ファンも湧いた。

 「用意してはいませんでしたが、球場の雰囲気で、ついこう言ってしまいました」。若松監督の名セリフは“即興”だったと言いながら、14年前の懐かしい? コメントを持ってくるあたりはCS同様、新人監督らしからぬ“大胆采配”だった。

 新人監督の日本シリーズ出場はソフトバンク工藤監督に次いで17人目。真中監督は7度宙に舞い、歓喜の輪に体をあずけた。

 ヤクルトにとって、苦しい戦いだった。「勝敗は4勝1敗でしたけど、1試合1試合苦しい戦いを粘って勝った。大変なCSでした」。王手をかけて臨んだこの日も、楽な戦いではなかった。序盤に3点をリードしたが、5回に阿部の2点タイムリーで1点差まで迫られた。その後も再三ピンチはあったが、自慢の救援陣を惜しみなく投入した。

 真中監督は「シーズン中も、こういう試合を粘って取った勝ちが多かった。ピッチャーをはじめ、みんなを信じて祈っていました」。イニング中の交代も含め、6回以降で5人の投手を繰り出し、巨人につけいるスキを与えなかった。

 24日は敵地に乗り込み、ソフトバンクと日本シリーズ初戦を戦う。「シーズン中通り、粘り強い戦いができれば。ソフトバンクは強いチームですが、うちの力を結集して挑みたい」と力強く宣言した。