やっぱり縁があるのかな~。阪神金本新監督が誕生した17日、広島ではベテラン新井貴浩内野手(38)が早くも来季に向けて動いた。秋季練習が行われているマツダスタジアムに隣接する室内練習場。倉とともにペッパー、ダッシュなどで体を動かした。汗をぬぐうと「見つかったか~」とシーズン終了後、初めての取材に笑った。

 「もう1回、初心に帰ってやる。一から鍛え直す。年齢は重ねていくわけだから現状維持で、と思っていたら落ちていく。最高のものを出すという気持ち」

 中日戦に敗れて3位を逃したシーズン終了から10日。新井は悔しさから休むことなく動いていた。8年ぶりに復帰した今季は125試合に出場し2割7分5厘、7本塁打だった。満身創痍(そうい)ながらも「なんとか離脱せずにやれた」と一定の満足はある。だが勝負の9月に打率2割2分8厘に終わるなど「終盤に思うように体が動いてくれなかった」。再び体をいじめることを決めていた。

 「自分を含めて1人1人が悔しさを肝に銘じられるか。満足している選手は誰もいない。来季にぶつけるためにも、シーズンオフの過ごし方が大事」

 チームは若い選手が多く背中で示す責任も感じている。あと29本に迫った通算2000安打にも「ピンとこない。とにかく勝ちたいだけ」。下半身を徹底的に鍛え、振る力を得るためにスイングを繰り返すという。