中日ドラフト2位指名の東北福祉大・佐藤優投手(22)が大魔神フォークでプロに飛び込む。28日、仙台市の同大で指名あいさつを受けた。即戦力の151キロ右腕は開幕1軍、新人王、160キロと3つの目標を掲げた。大学の先輩、佐々木主浩氏(日刊スポーツ評論家)流のフォークをマスター中で、プロ入り後の武器にしたい考えも明かした。

 187センチ、85キロの投手らしい体形から繰り出す伸びのある直球が武器の佐藤。2位指名の高評価に驚いてから6日たち、少しずつプロの顔になっていた。

 「持ち味の直球を評価されたと思う。即戦力としても、将来性も期待されていると感じた。開幕1軍を目指し、160キロも出したい。大きく言えば新人王も狙いたいです」

 同リーグの仙台大・熊原、北東北リーグの富士大・多和田の名前が先に売れていたが、スカウト陣の評価は今年一気に高まった。この日対面した中田スカウト部長は「当然即戦力だけど、上積みがあるのが最大のポイント。長身でしなやかでキレで勝負する。今の中日にはいないタイプ」と大きな期待を寄せた。

 今秋のリーグ戦は97回1/3を投げて94三振を奪った。大きな武器になったのがフォーク。今春から練習を始め、秋から本格的に配球に組み入れた。「落差もスピードも制球もよくなった。フォークでも三振が取れるようになった」と“未完成”にもかかわらず、通用したことで自信を深めた。

 大魔神仕込みの宝刀だ。元西武の外野手である大塚監督は、東北福祉大で佐々木主浩氏と同級生。親交が深い。佐々木氏から教わったフォークのコツを今夏、エースに伝えた。佐藤は「リリースの瞬間の感覚。小指のグリップを強くすることなどを教わりました」と一端を明かした。助言を生かし、着実に自分のものにしようとしている。

 まだ中日での役割は決まっていないが、首脳陣は中継ぎ、抑えの適性があると判断している。「使ってもらえるならどこでも任せられたところでがんばりたい。リリーフは大学でも経験しているので」と意欲的だ。未完の魅力が詰まった右腕が、秘密兵器を引っさげてプロの世界で勝負する。

 ◆佐藤優(さとう・ゆう)1993年(平5)6月29日、宮城県大崎市出身。小学3年で野球を始め古川学園では甲子園出場なし。仙台6大学リーグ通算11勝2敗、防御率1・29。持ち球はカーブ、スライダー、チェンジアップ、フォーク。187センチ、85キロ。