大学野球の東海・北陸・愛知3連盟王座決定戦は明日31日から岐阜県内で開幕、静岡県勢は東海2位の日大国際関係が出場する。優勝校が11月の明治神宮大会への切符を手にできる重要な舞台。東海選手権で完全試合を達成した嘉代(かしろ)誠投手(2年)と、ロッテから育成2位指名された柿沼友哉捕手(4年)という「KKバッテリー」の力で神宮切符を目指す。

 10月の第4週、チームは「お祭り」だった。秋季リーグを1位で通過し、迎えた東海選手権(岐阜)。21日の2位トーナメント1回戦で嘉代が92球で完全試合を達成した。翌22日の2位代表決定戦でサヨナラ勝ちし、3連盟王座戦出場を決めた。

 嘉代 うれしかったし、ネット速報を見た人から連絡が一気にきた。

 その日夕方、岐阜から静岡への帰路で、今度は柿沼がドラフト指名された。

 柿沼 指名の可能性が0に近いと思っても期待してた。バスの中でおめでとう、と。呼ばれなかったら申し訳ないと思っていた。

 2人ともドン底から歓喜の頂点に立った。嘉代は21日午前の試合で打ち込まれ、同日午後の試合で「完全」を成し遂げた。また柿沼も22日の試合でチャンスで三振に倒れた後、その夜のドラフトで指名を受けた。「身近からプロ選手が出てうれしい」と嘉代。柿沼は「前日にパーフェクトをやってくれたのがよかったのかも」。完全試合をリードした手腕が、プラス材料となったのかもしれない。

 次なる戦いへ、喜びも一区切りさせた。神宮大会に向けて3連勝が必要。初戦は北陸1位の金沢学院大となる。嘉代は「自分がすべて投げる必要はないので。全員で1つずつ行ければ」と冷静に分析する。勝負どころでの起用にも応える腹づもりだ。柿沼は「ロッテはファンに愛されてる印象。自分もそうなれるように全国に出て名前を売りたい」と燃えていた。【加納慎也】

 ◆嘉代誠(かしろ・まこと)1995年(平7)12月1日、富士宮市生まれ。富士根南エコーズで野球を始める。富士根南中では富士宮シニアに所属。神奈川・立花学園を卒業後、日大国際関係に進学。181センチ、80キロ。

 ◆柿沼友哉(かきぬま・ゆうや)1993年(平5)5月12日、茨城・つくば市生まれ。小学4年で野球を始め、中学時代、つくばシニアに所属。誠恵に進学し、2年秋に同校初の県大会出場。日大国際関係に進み、今春から正捕手に。180センチ、82キロ。