バッター金本の効果は絶大だった!? 5年目の来季、セットアッパーの座を目指す阪神歳内宏明投手(22)が、紅白戦で1イニングを3人で締めた。前日2日、ブルペン投球の際、打席に立ち、打者目線でハッパをかけられた金本監督からも「真っすぐが走っていた」とほめられた。

 阪神歳内が、金本監督から投手勢MVPの評価をもらった。紅白戦に紅組4番手で登板。最終回だった6回の1イニングをわずか12球、3人であっさりと締めくくった。

 「アピールはしていかないといけない。シーズンに入って相手打者と真剣勝負の中で結果を残すのが一番だと思う。1軍のマウンドで投げられるようにしていくのがキャンプだと思う」

 猛アピール成功だ。自慢の直球で9得点していた白組を力でねじ伏せた。先頭梅野を詰まった二飛に打ち取ると、続く伊藤隼も同じく二飛。最後は中谷のバットをへし折り、遊ゴロに抑えた。貫禄の投球に指揮官も「投手で一番目立ったのは歳内。ストレートが走っていた」とニンマリだ。

 前日2日にはブルペン投球する歳内に金本監督自らが打席入り。フォークを投じると「振らん、振らん!」、甘い内角直球には「インコース真っすぐ、ホームランや」とハッパを掛けていた。指揮官直々の熱血指導を受け「安藤さん福原さんのポジションを奪っていかないと」と来季への決意も語っていた。今季は中継ぎで29試合に登板し防御率2・62。安定した投球でシーズン終盤は接戦時も任されるようになった。来季こそはベテラン勢を追い抜き確固たる地位を確立する-。その思いの表れか好投したにもかかわらず、反省の言葉も目立った。

 「スライダーを試そうかと思って2、3球投げたんですが悪くはなかったですけど振ってはくれなかったので。そこが良くなれば投球の幅も広がってくる。明日からそういうところをやっていきたい」

 金本政権1年目。懸案のリリーフ事情を解決すべく、来季5年目を迎える右腕が牙を研ぐ。【梶本長之】