「第5の男」が苦手克服ブルペンだ。先発ローテを期待される阪神岩崎優投手(24)が9日、今キャンプ、投手陣最多となる200球を投げた。課題のスタミナ不足を克服すべく、1時間近くもブルペンを占拠。気温20度を超える陽気の中で、額から汗が吹き出した。今季まで2年間で32試合に登板したが、完投はゼロ。来季こそ壁を乗り越え、完投を達成してみせる。

 岩崎は肩で息をしていた。ブルペン捕手からの返球を受けると、間髪入れずにボールをミットに投げ込む。速射砲のような投球を1セット15球×7回で、計105球。捕手も途中でギブアップするほどのハードトレだ。数分のインターバルを置いて、通常のブルペン投球を実施。球数は大台の200球に達した。

 「3巡目の壁」はもちろん認識している。今季は15試合に登板して合計39失点だが、半分以上の23失点が4~6回という試合中盤。「シーズン中は、(岩崎が先発の試合は)3巡目に入るとブルペンがざわつくと歳内に聞いた」。投げるスタミナをつけることで、汚名返上したい。

 この日は初めてパームボールも試投した。たった1球だったこともあり「遊びです」と笑ったが今後、実戦仕様に磨きを掛ける可能性も十分。現役時代にパームを得意球としていた新任の金村投手コーチも伝授に前向き。教えを受けることも可能だ。3年目の初完投へ。期待の左腕は充実の秋を過ごしている。【桝井聡】

 ▼岩崎は今季、相手打線の3巡目以降で被打率4割1分3厘(63打数26安打)。2巡目までの2割3厘(236打数48安打)から大幅に悪化する。7回以降もマウンドに立った場合には、被打率5割5分6厘(18打数10安打)。