メキシコにサヨナラ勝ちし、勢いに乗る侍ジャパンがドミニカ共和国を下し3連勝を決めた。日本は相手ミスで初回に先制、4回には中田翔内野手(日本ハム=26)のタイムリーで1点を追加した。
先発した武田翔太投手(ソフトバンク=22)は4回無失点の好投を見せていたが、足を痛め降板。後を受けた小川泰弘投手(ヤクルト=25)が7回に同点2ランを浴びた。
試合を決めたのはやはり中田だった。8回2死二、三塁で三塁線を破る2点適時二塁打を放ち勝ち越し。9回は松井裕樹投手(楽天=20)が締めて逃げ切った。
- ドミニカ共和国に勝利しハイタッチする日本ナイン(撮影・玅見朱実)
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日 本 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 4 |
ドミニカ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 |
【日】武田、小川、山崎、松井
【ド】カブレラ、パヤンプス、デヘスス、デラクルス、ロンドン
ドミニカのエラーで日本先制
<1回表 日本>
ドミニカ先発は14年まで中日に在籍したカブレラ。
- 日本戦に先発するダニエル・カブレラ(撮影・加藤哉)
2死から3番山田が三塁線を破る痛烈なゴロで二塁打。4番中村剛は二塁後方に打球を打ち上げたが、二塁手と右翼手が交錯。打球が落ちる間に山田が生還し日本先制。記録はセカンドのエラー。
<1回裏 ドミニカ>
日本先発の武田は1死から3連打を浴び満塁のピンチ。
しかし武田は、5番オリボに対しフルカウントから高め直球で詰まらせ三塁併殺打。ピンチを切り抜ける
- 1回裏1死満塁、オリボを三ゴロ併殺打に仕留め川端慎吾(右)を笑顔で迎える武田(撮影・河野匠)
<2回表 日本>
前日5打点&サヨナラ打の6番中田からの攻撃だったが3者凡退。
<2回裏 ドミニカ>
武田は6番タバレスを低め直球で見逃し三振。2死からは8番フェリスを外角スライダーで空振り三振に斬り、3者凡退。
<3回表 日本>
落ち着きの出てきたカブレラは日本打線を2イニング連続で3者凡退。
<3回裏 ドミニカ>
武田は1死から1番ルイスを外角いっぱいのスライダーで見逃し三振。2死から2番ディアスに左越え二塁打、さらに四球で一、二塁と走者を背負ったが4番ラミレスを内角直球で二ゴロに打ち取り得点を許さず。
中田タイムリーで日本追加点
<4回表 日本>
3番山田からの好打順。しびれる試合展開に、ドミニカのファンも気分が高まったか。
- 4回表、打席に入る山田の後方ではドミニカ共和国のファンが音楽に合わせて踊っていた(撮影・河野匠)
山田が四球を選び出塁すると、ドミニカバッテリーはその足を警戒。捕手から投手から、再三のけん制が送られる。1死となりフルカウントから筒香が四球で一、二塁。
6番中田は低め変化球をバットの先でうまく拾い、中前に落ちるタイムリー。後続は倒れたがこの回1点を追加。
- 4回表日本1死一、二塁、中前適時打を放つ中田(撮影・たえ見朱実)
- 4回表を終え、適時打を放った中田はベンチに向かって力強いガッツポーズを見せる(撮影・河野匠)
<4回裏 ドミニカ>
先頭の5番オリボは振り逃げで出塁。続くタバレスのボテボテのゴロを一塁中田が処理したが、武田のベースカバーが遅れ内野安打になり無死一、二塁。
その後2死二、三塁となったが9番ロドリゲスを遊ゴロに打ち取りピンチを切り抜けた。
しかし、武田はその直後脚を気にする仕草を見せ、トレーナーとベンチに引き揚げた。
- 4回裏を終えた武田はマウンドで足を押さえる(撮影・加藤哉)
<5回表 日本>
2死から2番川端が流し打ちで左前ヒットで出塁したが、3番山田が沈む変化球に空振り三振。
<5回裏 ドミニカ>
武田は足を痛め降板。2番手で小川(ヤクルト)がマウンドへ。
緊急登板にも落ち着いた様子で、1番からの攻撃を遊ゴロ、左飛、遊ゴロで3者凡退。
- 5回から日本2番手で登板した小川(撮影・河野匠)
<6回表 日本>
ドミニカは2番手パヤンプスが登板。
日本は4番中村剛からの攻撃だったが、中村剛、中田が空振り三振など3者凡退。
<6回裏 ドミニカ>
小川は変わらず好調で、1死から5番オリボを縦のスライダーで空振り三振。この回も3者凡退で、2イニングを完全投球。
<7回表 日本>
1死から、平田の中前に抜けるかという打球をドミニカの遊撃ロドリゲスが飛び込み好捕。クルリと回転しながらスローイングするファインプレーを見せる。
2死から9番炭谷は左前ポテンヒットで一気に二塁を陥れたが、後続が倒れ無得点。
ライアン小川が同点弾浴びる
<7回裏 ドミニカ>
先頭エルナンデスの高く上がった左飛をレフト筒香が打球を見失ったか、触れず二塁打にしてしまう。
- 7回裏、筒香はエルナンデスの左飛の目測を誤りエンタイトル二塁打としてしまう(撮影・加藤哉)
1死を取った後、9番ロドリゲスは甘く入った直球をレフトスタンドへ。同点の2ラン本塁打となった。
- 7回裏ドミニカ共和国1死二塁、左越えに同点本塁打を放つR・ロドリゲス(撮影・たえ見朱実)
- 7回裏、小川はR・ロドリゲスから左越え2ラン本塁打を被弾(撮影・加藤哉)
小川は1番ルイスに死球を与えたが、後続を断った。
やはり中田!勝ち越し2点打
<8回表 日本>
ドミニカは3番手で今季広島育成で戦力外となったデヘススが登板。
1死から3番山田が四球で出塁、2死から筒香も四球で一、二塁。筒香には代走松田が送られる。さらにデヘススのボークで二、三塁とチャンスが広がる。
絶好調の中田は直球を引っ張り、三塁線を破る二塁打で2点を勝ち越した。
- 8回表日本2死二、三塁、中田は左翼線に勝ち越しの適時二塁打を放つ(撮影・加藤哉)
<8回裏 ドミニカ>
日本は3番手山崎(DeNA)が登板。代走の松田が三塁に、川端に代わり中村晃(ソフトバンク)が入り右翼に、右翼の平田が左翼に入った。
山崎は落ち着いたマウンドさばきで、6番タバレスをフォークで空振り三振に斬るなど、3人斬り。
- 8回、日本3番手で登板した山崎(撮影・加藤哉)
<9回表 日本>
ドミニカは4番手デラクルスが登板。
日本は8番平田が四球、9番炭谷が送りバントに成功し1死二塁。
ここでドミニカは5番手左腕ロンドンを投入。秋山、中村晃が打ち取られ無得点。
松井で逃げ切り日本3連勝
<9回裏 ドミニカ>
日本は抑えの松井(楽天)がマウンドへ。
先頭エルナンデスは一塁方向へプッシュバント。中田と松井が譲り合い、内野安打。続く8番フェリスの三遊間への打球をサード松田がダイビングキャッチ。二塁へ送球しフォースアウト。
同点2ランを打っている9番ロドリゲスを遊撃併殺打に打ち取り試合終了!
- 9回、日本4番手で登板した松井は無失点ピッチングで締めた(撮影・加藤哉)
<日本スタメン>
(中)秋山翔吾(西武)
(三)川端慎吾(ヤクルト)
(二)山田哲人(ヤクルト)
(指)中村剛也(西武)
(左)筒香嘉智(DeNA)
(一)中田翔(日本ハム)
(遊)坂本勇人(巨人)
(右)平田良介(中日)
(捕)炭谷銀仁朗(西武)
先発投手 武田翔太(ソフトバンク)
- 試合前、松田のかけ声で気合を入れる日本ナイン(撮影・河野匠)
<ドミニカ共和国スタメン>
(二)ルイス
(指)ディアス
(一)ベテミット
(左)ラミレス
(捕)オリボ
(右)タバレス
(中)エルナンデス
(三)P・フェリス
(遊)R・ロドリゲス
先発投手 カブレラ
<日本メンバー>
<投手>
10 松井裕樹(楽天=20)
11 菅野智之(巨人=25)
14 則本昂大(楽天=24)
15 沢村拓一(巨人=27)
16 大谷翔平(日本ハム=21)
18 前田健太(広島=27)
19 増井浩俊(日本ハム=31)
21 西勇輝(オリックス=25)
22 大野雄大(中日=27)
24 山崎康晃(DeNA=23)
29 小川泰弘(ヤクルト=25)
30 武田翔太(ソフトバンク=22)
35 牧田和久(西武=31)
<捕手>
27 炭谷銀仁朗(西武=28)
37 嶋基宏(楽天=30)
52 中村悠平(ヤクルト=25)
<内野手>
2 今宮健太(ソフトバンク=24)
3 松田宣浩(ソフトバンク=32)
5 川端慎吾(ヤクルト=27)
6 坂本勇人(巨人=26)
9 中島卓也(日本ハム=24)
13 中田翔(日本ハム=26)
23 山田哲人(ヤクルト=23)
60 中村剛也(西武=32)
<外野手>
7 中村晃(ソフトバンク=25)
8 平田良介(中日=27)
25 筒香嘉智(DeNA=23)
55 秋山翔吾(西武=27)
【プレミア12メモ】
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)主催で新設された国際大会で、4年に1度開催。世界ランク上位12チームが出場する。1次ラウンドは6チームずつ2組に分かれ、各組上位4チームが決勝トーナメントに進む。
【主な大会規定】
◆1次ラウンドは6チームがA、B各組に分かれ、総当たりで対戦。上位4チームずつが決勝トーナメントに進む。
A組はキューバ(WBSCランク3位)、台湾(4位)、オランダ(5位)、カナダ(7位)、プエルトリコ(9位)、イタリア(11位)。B組は日本(1位)の他、米国(2位)、ドミニカ共和国(6位)、韓国(8位)、ベネズエラ(10位)、メキシコ(12位)。
指名打者制を採用し、球数制限はなし。コールドは5回15点差、7回10点差以上で適用し、準決勝、決勝では適用しない。延長10回以降は無死一、二塁からタイブレーク制。使用球はミズノ社製(NPB統一球)