左キラー誕生の期待大だ。中日6年目の小川龍也投手(24)が16日、ナゴヤ球場で今キャンプ最多の140球を投げ込んだ。今季、サイドスローに転向したばかりの変則左腕は「自分の中で左は絶対に抑えたい。フォームのイメージはできているが、まだ(実際には)できていない」と、ブルペンで必死に腕を振り続けた。

 「プレミア12」をテレビ観戦し、気持ちを新たにした。「やっぱり筒香は一番、抑えないといけない」。同学年の左のスラッガーの名を挙げた。今季は左腕エース大野が15打数10安打と打ち込まれるなど、対筒香のチーム被打率は3割5分1厘。同じく左の梶谷にも打たれ、DeNAに10勝15敗と負け越す要因になった。

 ほかにも小川が名前を挙げたヤクルト川端、阪神鳥谷、巨人の阿部、亀井、広島丸…。終盤に投入するワンポイント不在が竜の泣きどころ。接戦を勝ち抜くチームになるためには欠かせないピースだ。

 昨秋に肘の遊離軟骨除去手術を受け、春先に復帰。だが簡単に打ち込まれ、以前から考えていたサイド転向を即断した。友利投手コーチは「(高橋)聡文がどうなるか分からない状況で、チャンスが目の前にある」と期待をかける。阪神と交渉する高橋聡のFA流出が決定的になる中、左不足のブルペンの救世主になれるか。小川の挑戦はチームにも大きな力になる。【柏原誠】

 ◆小川龍也(おがわ・りゅうや)1991年(平3)9月3日、千葉市生まれ。小1で野球を始め、千葉英和では甲子園出場なし。09年ドラフト2位で中日入り。2年目に1軍デビュー。今季は2試合登板。通算12試合で0勝2敗、防御率4・43。母がフィリピン出身で、13年WBCではフィリピン代表で予選リーグ台湾戦に先発した。182センチ、70キロ。左投げ左打ち。