ラスト実戦で、中日谷繁元信監督(44)がチーム底上げの手応えをつかんだ。ナゴヤ球場での中日の秋季キャンプで22日、今季最後の紅白戦を実施した。9回制で行われ、両チーム合わせて16安打。キャンプ中は振るわなかった打線が最後に活発になり、谷繁監督はチーム内競争の激化を予感した。

 最終戦は大満足! 今季最後の紅白戦で両チーム16安打の猛打ショー。谷繁監督は「非常に内容のある打撃。取り組んでいることを披露してくれた」とニンマリ。さらに「意識付けさせるために紅白戦をしている。チーム内でライバル心を燃やしてほしい」。その言葉どおり、来季のレギュラー争いもヒートアップした。

 外野手はルーキー同士が白熱した。2-2の9回2死満塁、友永翔太外野手(24)が鮮やかなサヨナラ打を放った。又吉の外角スライダーをとらえると打球は左中間を真っ二つにした。6回の第3打席では好機に凡退。直後に同じくルーキー外野手井領雅貴(26)が右翼へ同点打を放っていた。友永は「チーム内でライバルだし、井領さんは結果も出しているから、負けられない気持ちをグラウンドで持っていた」と闘志を燃やす。2本の二塁打をマークした井領は「ここで練習量を落としてももったいない。今はみんなが振っている。やってないところで差がつくと思う」とオフで突き放すつもりだ。

 初回には23歳三ツ俣大樹内野手が気を吐いた。紅組先発小熊の直球をフルスイングし、左翼ネットを揺らす先制弾。「ライバルは多いし、負けたくない。遠藤さんも(堂上)直倫さんも1軍での実績がある。僕はやるべきことをレベルアップしていきたい」と遊撃の位置を争う堂上と遠藤を意識した。

 15日の社会人ジェイプロジェクトとの練習試合では、5安打1得点と打線が沈黙し、指揮官は首をかしげていた。ラスト実戦でがらりと様変わり。来年に向けての収穫は多かった。【宮崎えり子】