西武田辺徳雄監督(49)が“日本一早く”ルーキーの来春キャンプB班(2軍)スタートの方針を固めた。12日、地元の山梨・富士吉田市で少年野球教室を開催。世界遺産にも登録されている富士山の麓で指針を打ち出した。前日11日に新入団会見を行った金の卵10人に対し「キャンプは全員B班。周りのペースにつられてケガをさせないためにも」と説明。ドラフト1位の多和田真三郎投手(22=富士大)は右肩痛からの回復途上だが、同3位の野田昇吾投手(22=西濃運輸)ら即戦力候補もA班(1軍)には帯同させない。

 今春キャンプも同1位の高橋光を含めて全員をB班に派遣。順調にふ化した高卒右腕は夏場に1軍デビューを果たし、5連勝を飾った。過去には菊池、大石とA班に帯同も、重圧に苦闘する結果となった。13年の森もB班で下地をつくり、話題先行よりも実を取る方針が奏功している。

 途中昇格の可能性も残す。同4位の大滝愛斗外野手(18=花咲徳栄)は田辺監督もA班を検討。「早い段階で中村、秋山の練習を見させることで学ぶこともある」と英才教育のプランもあった。だがB班から横一線の船出に戻した。「アピールして上がって来いということ」。5合目ではなく1合目からプロの世界を踏破させる。【広重竜太郎】