今季限りで引退した西武西口文也氏(43)の野球伝道師の旅が始まる。182勝右腕は球団本部編成部に所属するが、来春から韓国へ渡り、球団は未定だが臨時コーチとして指導を始めることが26日、分かった。その後も台湾で指導を行う予定。鈴木球団本部長は「視察目的ではなく、あくまでも指導の第1歩として」と専念させるつもりだ。

 日本でのコーチとは異なる経験になる。まず言葉の壁がある。最初は通訳も用意されるが、慣れれば直接指導が主になる。選手の技量も全体的には日本よりも低い。日本では1つ教えれば済むことが、助言の数を増やし、より簡潔に伝える作業も必要になる。指導者にとっては引き出しを増やす修業にもなる。

 来年2月は日本のキャンプ地も行脚する予定。「うちのキャンプしか知らないので、他球団の投手を見るのは楽しみ」。韓国、台湾での指導の後も米国独立リーグ、ドミニカ共和国、オーストラリアに渡るプランもある。「いろいろな野球を間近に見られ、経験できることは財産になるので、しっかり勉強したい」と第2の人生の起点となる職務について話していた。野球を世界に伝え、将来のリーダーとしての見聞を広げる。