ソフトバンク武田が開幕投手に立候補した。昨季チームトップ13勝を挙げた右腕は宮崎市の生目の杜運動公園で自主トレを公開。プロ5年目で初の大役へ向け「いきたいなと思う。任されたら頑張ります。立候補します」と小さく右手を挙げながら宣言した。

 昨年はCSファイナルステージと日本シリーズの第1戦を任された。「日本シリーズも何も感じなかった。そこがいいところなのかもしれない」と、大舞台でも緊張しないずぶとさを自覚している。

 前日15日には工藤監督が開幕投手の候補に武田、摂津、松坂と名前を挙げた。球団初の5年連続開幕を狙うエース摂津ら、ライバルは多い。開幕となる3月25日楽天戦の舞台はコボスタ宮城。寒さも予想されるだけに、22歳と若い武田に追い風も吹く。

 自主トレでは体幹の強化を続ける。外側の筋肉を大きくするより、中身を鍛えることでけがなくシーズンを乗り切る体をつくる。キャンプでは昨年同様にほぼ直球のみを投げ「5割の力で今までの7~8割の直球をキレよく投げたい」とさらなる脱力投法にも取り組む。「開幕投手をしても中盤でいなくなっては意味がない。200イニングは投げたい」と、ローテーションを守り抜く。

 保留中の契約も「話はまとまっている」と、球団と開きがあるわけではない。代理人との日程が合えば近日中にもサインをする。チームより一足先にキャンプ地で鍛えている武田には、しっかりと柱の責任感が芽生えていた。【石橋隆雄】