憧れの人と同じく、ファンを魅了する。楽天のドラフト1位オコエ瑠偉外野手(18=関東第一)が26日、元日本ハム新庄剛志氏の使用していた登場曲で打席に向かいたい考えを明かした。「小さい頃から、プロ野球選手になったらこれって考えてました。ドクター・ドレーのThe Next Episodeです」。新庄氏からもらった感動を、今度は自分が子供たちに与えていく。

 新庄氏とは縁がある。小学校低学年の頃、西武ドームの右翼ポール際で家族と日本ハム戦を観戦した。まだ幼く、試合の途中でうとうとしてしまった。すると1つ後ろの席に、強烈なライナー性のファウルボールが当たった。打ったのは新庄氏だった。「殺されかけたんです」と、うれしそうに振り返った。

 新庄氏については、こと細かに知っている。「メジャーに行く時に『今はたたくだけたたいてください。結果を残せば黙らせられるので』と言ったのが印象に残っています」。その他にも、投手交代時に外野手3人で集まって片ひざをつくしぐさなどを挙げながら「かっこいい」と声を弾ませた。

 新庄氏みたいに観客を魅了したい。一方で、偉大さも強く感じている。「あの人はすごいですよ。だって持ってるじゃないですか」。敬遠の球を打ったり、球宴で本盗を決めたり、大舞台での勝負強さは半端でなかった。それに少しでもあやかろうと、登場曲を受け継ぐ。【竹内智信】

 ◆The Next Episode(ザ・ネクスト・エピソード)米ヒップホップ界を代表する音楽プロデューサーのドクター・ドレーが00年にリリースしたシングル。ジャイアンツ時代のバリー・ボンズが登場曲として使用し、当時チームメートだった新庄も日本ハム移籍後に使用した。