確立したスタイルで、新たな1年に挑む。日本ハム浅間大基外野手(19)が、勝負の2年目へ胸中を激白した。王者ソフトバンクに対する衝撃と、思い浮かべていたプロ野球選手像とのギャップ。今季に向けた意気込みを語った。今日28日、浅間ら1軍キャンプメンバーは米アリゾナ州ピオリアに向けて出発する。

 激動のルーキーイヤーから、勝負の2年目へ。浅間は千葉・鎌ケ谷で自主トレを始める前、3月25日のロッテとの開幕戦をイメージする。独特の緊張と高揚を想像する。きたる瞬間を待ちわびているかのように。

 浅間 自分が(試合に)出ていることをイメージして練習しています。守備練習だったら、自分が右翼のポジションを守っている。打撃だったら、札幌ドームの打席だったりを思い浮かべて練習しています。

 鮮烈にプロの幕を開けた。デビュー戦から高卒新人最多タイの4試合連続安打。高卒新人では29年ぶり2人目のサヨナラ安打も放った。パ・リーグ初の高卒新人野手のCSスタメンを含め、計46試合に出場。打率2割8分5厘と上々の1年目を終えた。未知の世界で衝撃を受けたのは、王者の存在感だった。

 浅間 ソフトバンクがすごいなと思いました。選手1人1人の能力もそうですし、チームとしての勝つぞ、という気持ちはベンチからすごく伝わってきて、すごくいいチームだなと思った。僕が思っていたプロ野球の感じではなかった。

 想像とのギャップが新鮮だった。野球選手を偏見たっぷりに見ていた過去があった。「スカしているイメージだった」。浅間自身もクールな顔立ちで、冷めた印象に勘違いされることが多いという。実際は安打を打てば、一塁ベース上でほえてガッツポーズする熱血漢。ソフトバンクに自らを重ね、選手像を確立した。

 浅間 (プロは)もうちょっと淡々とやっているのかなと思っていたんですけど、すごく熱くて。全員で声出して、すごいなと思いましたね。野球人として、そういった面は失っちゃいけないんだなと思いました。僕も今まで通りいこうと思った。ありのままでやっていけばいいかな。

 今日28日に、キャンプ地の米アリゾナへ向けて出発する。イメージをふくらまし続ける開幕戦へ。新たな自信を胸に、スタートを切る時を待つ。【取材・構成 田中彩友美】