オリックス糸井嘉男外野手(34)が、ヒルズの地下から復活ののろしを上げた。27日、自主トレを公開。選んだ場所は球界では珍しい東京・六本木だ。ビルの地下2階にあるジム「トータルワークアウト」で調整。昨年痛めた左膝も含めて「最高にいい状態」と表現し、今年の漢字1文字は「超」を選んだ。

 糸井が“ヒルズ族”になった。年明けにグアムで元ソフトバンク松中らと練習し「42歳でも体のキレを感じた。松中さんが使っているトータルワークアウトにお世話になろうと思った」と、初めて通ったきっかけを明かした。傾斜を使ったランニングなど、ハードなメニューの一部を披露。「心中」するほど熱心に取り組む姿は、まさに六本木の「純情派」だ。同ジムでは、昨年痛めた左膝に負担が少ない走法や体の使い方に矯正。「おかげさまで最高にいい状態です。目標は自分も成績を残してチームも優勝すること。11月の表彰式に出たいね。何かしらで。去年は部屋で寂しく膝の治療をしてたから」と、独特の表現でタイトル獲得を宣言した。弟分のソフトバンク柳田が達成したトリプルスリーも、その先に見据える。

 恒例の今年の漢字は「超」を設定。その理由は、糸井ワールドが全開だ。「いろいろ超えたい。スーパーサイヤ人になるつもりで頑張ります」。数々の伝説が残る球界の超人は、漫画ドラゴンボールに登場する架空の人種「超(読み方はスーパー)サイヤ人」のような強さを発揮する。

 2月の宮崎ではマイペース調整を宣言した。「また膝が痛くなったらいややからキャンプはゆっくりやる。去年はキャプテンで休めなかったしね」。昨年は打率2割6分2厘。チームも低迷し記憶にあるのは屈辱ばかり。今は体調も良く、意気込みを語る顔には太陽のような明るさが戻った。7月に35歳になるベテラン。過去の自分を「超」えられれば、チームの優勝がグッと近づく。【大池和幸】