背番号「0」がゼロからのスタートを切る。昨年オフに広島を自由契約となり楽天にテスト入団した栗原健太内野手(34)が、自身2年ぶりの1軍スタートのキャンプで、初日からアピールする。広島時代に豪打でならした大砲が、生まれ故郷の東北の地で再起を誓った。

 決意の表情で、栗原は切り出した。「本当にゼロからのスタート。周りは新戦力としての僕の実力を見るだろうから、しっかりアピールしていきたい」。久米島には初めて訪れた。「仙台からきたんでやっぱり暖かい。野球に集中する環境としてはすごくいい場所だと思う」と目を輝かせる。

 楽天の入団テストを受けた昨秋以来、室内で調整を続けてきた。1月の自主トレでは打撃フォームを固めるためティー打撃を精力的にこなしたが、屋外は約2カ月ぶりとなる。それでも栗原に不安はない。「外で野球をするのは久しぶりなんで楽しみ」と前向きだ。

 2年ぶりの1軍スタートも栗原のモチベーションを高くさせる。広島時代の06年から4年連続で20本塁打を記録した大砲も、14年から1軍出場はゼロ。昨年に至ってはキャンプも2軍だった。「去年はキャンプから何もできずに終わった」と悔しさをにじませる。右肘の状態も良好な今年は、「1番はバッティングでアピールするのが一番」と、初日から積極的に自分を売り込んでいくつもりだ。

 山形・天童市出身の栗原にとって、東北への思いは強い。「カープ時代のもの(実績)は忘れて、ここで新しいものをたくさん築いていきたい」。豪打を連発し輝きを取り戻してみせる。【田口元義】