仙台に、「優勝請負人」と呼ばれた大物助っ人がやってくる。楽天と基本合意に達したジョニー・ゴームズ外野手(35=ロイヤルズ)が4日、日刊スポーツの電話インタビューに応じた。13年レッドソックスと昨季ロイヤルズでワールドシリーズを2度制覇した右の大砲は、新天地で可能性を広げたいと意気込む。メディカルチェックなど諸条件をクリアすれば、2月の沖縄キャンプ中にもチームと合流する。

 新たなチャレンジが待ち切れない。楽天と基本合意に達したゴームズは、電話口の声を弾ませた。

 「メジャーからもオファーを受けていた中で、楽天を選んだんだ。野球人として経験していないことは、日本をはじめアジアでプレーすること。見識や経験の幅を広げる意味でも、まだ第一線で戦える今、日本でやってみたかったんだ」

 メジャー13年間7球団以外にも、マイナーやメキシコ、アラスカで野球をした経験をもつ。アスレチックスに所属した12年には開幕シリーズで来日。巨人、阪神との交流戦でメジャーとは異なる野球に触れたことも、妻と3人の子供を連れて来日する契機になった。

 「戦術も練習方法も日本独自。打者が自分の応援歌をもつのも新鮮だったね! 自分は多くの監督の下で戦術や起用法を学んだ。引き出しの多さが強み。日本でどんな経験ができるか楽しみで仕方ないんだ」

 マッチョな体にタトゥーを入れ、普段はモンスタートラックを乗り回す。ワイルドな風貌と同様、プレースタイルも感情を前面に押し出す激情型。楽天で期待される長距離砲としての役割について「望むところだ」と自信をのぞかせた。

 「誇れる魅力は、このパワー。野球に対する情熱、エネルギッシュなプレースタイルと合わせて、楽天でも自分らしさを十分に発揮していくよ。狙うは日本シリーズ優勝さ!」

 現在は米国で自主トレ中で、ビザ手続きが終了次第チームに合流する。米メディアのFOXスポーツ電子版は、1年契約で年俸200万ドル(約2億4000万円)、出来高100万ドル(約1億2000万円)と報道。梨田監督は「まだ正式には聞いていないが、彼のことはよく知っています。起用面ではチーム全体のバランスが難しいが、162発のすごい打者」と話した。日米両リーグでの頂点という夢を胸に、海を渡る。【佐藤直子通信員】

 ◆ジョニー・ゴームズ 1980年11月22日、米カリフォルニア州生まれ。01年ドラフト18巡目でレイズ入団、03年にメジャーデビュー。8度2桁本塁打を記録した強打の外野手。世界一となった13年レッドソックスの主力選手で、ワールドシリーズ第4戦では決勝3ランを放ち劣勢だったシリーズの流れを一変させた。昨年8月にブレーブスからロイヤルズへ移籍し、11月に自由契約。