ヤクルトのサブマリン・山中浩史投手(30)が「ヨイショッ投法」を披露した。沖縄・浦添キャンプ第1クール最終日の4日、3度目のブルペンで最多の150球を投じた。1球投げ終わるごとに、「ヨイショッ」の叫び声。「投球のリズム的にこの言葉が合っている感じ。打者にプレッシャーを与えるだけでなく、声を出すことで自分にも気合が入る」と説明した。

 ハンマー投げからヒントを得た。「室伏(広治)さんは投げ終わりに絶叫する。そうすることで本来の力以上の記録が出せる、と聞いたことがある。ピッチングにも通じるものはあるのかな」と注目した。最速130キロ台中盤の速球と100キロに満たないスローカーブを軸に緩急で勝負する山中。剛速球でねじ伏せるタイプではないからこそ、「ヨイショッ」が持つ“プラスアルファ”で緩急の幅を広げようと考える。

 昨季の悔しさが進化への原動力。プロ初勝利を含む開幕から6戦6勝をマークしたが、右大胸筋の肉離れで戦線離脱。復帰後は連敗を喫し、白星を挙げられなかった。「あそこで勝っていれば、もっと楽にチームが優勝できていた。今年こそ優勝に貢献したい」と並々ならぬ思いを胸に刻む。

 マウンド上での絶叫といえば、「ギャオー」が代名詞のヤクルトにも在籍したタレント・ギャオス内藤(47)。大先輩とは少しテイストは違うが、「ヨイショッ山中」としてチームの白星を“ヨイショ”する。【栗田尚樹】