日本の4番を奪い取れ! DeNA筒香嘉智外野手(24)が6日、宜野湾キャンプを視察した侍ジャパンの小久保裕紀監督(44)に新打法を披露した。右足をほとんど動かさないノンステップ打法で鋭い打球を連発。3月5、6日に行われる侍ジャパンの強化試合・台湾戦のメンバー入りは確実で、4番の座を日本ハム中田と争うことを求められた。17年のWBCに向け、若き主砲は進化を続ける。

 正面から吹き付ける強風にも筒香はびくともしなかった。悪条件の中でのフリー打撃。ケージ裏からは侍ジャパン小久保監督の熱視線も受けた。「僕は誰かが来ているから変えるということはない。自分がやることをやるだけ」。今季から取り入れた新打法で鋭い打球を中堅から左方向中心にはじき返した。「今日は寒かったのでそんなに力は入れていませんが、順調に調整は出来ていると思います」と、特別な感情を表に出すことなく淡々と話した。

 貪欲に進化を続けるからこそ未来が開ける。昨季は打率3割1分7厘、93打点、24本塁打と、いずれもキャリアハイの成績を残した。だが、そこで立ち止まろうとは思っていない。「去年のほうが良ければそのままですが、今のほうがしっくりくる。少しでも無駄な動きを省きたい」と右足をほとんど動かさないノンステップ打法を取り入れた。オフに参戦したドミニカ共和国でのウインターリーグでは強くて動くボールを体感し「直球に差し込まれない意味でもこっちのほうがいい」と説明。“国際大会仕様”も兼ね備えた新打法導入を決めた。

 成長を続ける若き主砲への期待は日に日に大きくなる。小久保監督からは「侍ジャパンでも4番という気持ちを持っているのは大いに歓迎。中田翔もいるけど、筒香も候補です。2人は仲もいいですし、ライバルとして競い合わせたい」と、日本の主砲としての可能性を認められた。同時に、4番争いは日本ハム中田との一騎打ちになることも示唆され、ガチンコ勝負をあおられた。

 筒香自身の中にも日の丸への特別な思いがある。大前提は主将を務めるチームでの優勝が最優先事項。その上で「シーズン中とは違う緊張感がある。すごく成長できる場所。子どもたちに夢を与える意味でも、大事な場所だと思っています」と、侍ジャパンの4番最有力候補としての自覚ものぞかせた。威風堂々-。4番打者としての資質が筒香にはある。【為田聡史】

 ◆侍ジャパン日程 3月5、6日に台湾と強化試合が決定。17年3月には、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加予定。