「ラミ・サイン」でバッテリーを制御した。DeNAアレックス・ラミレス監督(41)が宜野湾キャンプ第2クール2日目の7日、今季初実戦となる紅白戦で大胆かつ緻密なベンチワークを披露した。出場した全4捕手に対し、それぞれ1イニング限定で、1球ごとベンチから配球をサインで指示。同監督は「内角、外角、高さ、直球、スライダー、ツーシーム、チェンジアップなど細かくサインを出した」と明かした。

 球界では異例とも言える采配だ。キャンプ前から捕手については「配球と打撃は多くのものを求めていない。特に配球に関してはベンチからサインで指示を出す」と予告。初実戦のこの日、先発マスクをかぶった高城、戸柱には2回、途中から代わった嶺井、黒羽根には5回の1イニングで即実践した。イニングの表裏で打者15人に対し60球を配球し、3安打1失点。二盗阻止や1死一、二塁のピンチを併殺に仕留める“見せ場”もあった。

 緻密なコミュニケーションがサイン伝達をスムーズにさせている。前日6日と試合直前のバッテリーミーティングに監督も参加。「内角は7割ぐらい。内角はタフなコースだと思っている。内角に投げ切れれば外角はたやすく投げることができる」と現役時代の実体験をもとにした配球の基本ベースをバッテリーに植え付けている。昨季、チーム内で捕手最多出場だった嶺井は「まだ実戦では初めてなので。ただ、こうなったのは自分たちに力がないから。勉強していかないといけない」と振り返った。

 開幕後については現段階では一定の幅を持たせている。「シーズン前に本番でどれぐらいサインを出すか考えていきたい。今は100%サインを理解して慣れてもらうことが大事」と指揮官。18・44メートルの攻防を大胆な方法で支配する。【為田聡史】