元侍が復帰に向けてアピールした。ロッテ益田直也投手(26)が8日、侍ジャパン小久保裕紀監督の見守る前でキレのいいボールを投げ込んだ。ブルペンで30球。指にかかった球が、キャッチャーミットを鳴らした。投げ終わると、同郷の和歌山の先輩でもある小久保監督の元に駆け寄った。

 投球練習前、落合投手コーチから「小久保監督が来てるから、しっかり意識してやれよ」と声が掛かった。13年のBASEBALL CHALLENGE台湾戦では代表に名を連ねた経験があるだけに、その誇りは持っている。「目に留まるように、しっかり頑張っていきたい」と来春WBCでの代表復帰を見据えた。

 プレミア12をじくじたる思いで見ていた。西野が骨折で辞退したため、ロッテの選手が1人もいなかった。「チームから1人も出ないというのはダメなこと」と悔しがった。さらにはリリーフ陣の崩壊で韓国に敗れると「中継ぎ投手が選ばれなかったのはレベルが低いから。そういうのを覆せるようにしたい」と、代表に選ばれるレベルまで自分を磨くことを誓った。

 小久保監督にしてみても、益田の奮起は歓迎だ。「右の変則投手は1人くらい入っててもいいかなと思っている」と、このキャンプ視察でもヤクルト秋吉や中日又吉に注目してきたという。プレミア12と同じ轍(てつ)を踏まないためにも、救援は肝となる存在。益田はその枠を狙う。必要なのは、今季、チームで結果を残すことだ。【竹内智信】